「声に出して読みたい理系用語(KADOKAWA)」
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【おことわり】
信定邦洋先生には、模擬授業の会でお世話になりました。また、今回出された著書は当サイトで扱う「数学の参考書」とは少々毛色が異なりますので、このように紹介させていただきます。
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「声に出して読みたい理系用語」(KADOKAWA)
まさにタイトルどおり、わかりやすいコンセプトの本だが、一般書ならともかく「学参」としはなかなか目新しい本ではないだろうか。表紙カバーをめくった所に「言うだけで気持ちいい!説明できたらカッコいい!」とあるが、特に最近は、大学入試でも面接だのプレゼンだの、何かと「コミュニケーション力」が問われる時代であるから、幅広い知識・教養をアピールしたい(もしくは教養のなさを気にしている)高校生にはオススメかも知れない。
用語は、数学では「セクシー素数」、化学では「こまごめピペット」、地学では「環天頂アーク」など80。基本は見開きで1つの用語(話題)を扱っており、内容的には深入りしすぎずコンパクトにまとまっている。また、紙面も黒と青の2色刷りで、右下の会話例「用例」には独特の脱力感もあって、全体的に「ほっこり」する。章と章の間などにはコラムとして「理系あるある」(例えば『暗算が得意だと思われがち。』など)や「科学者の名言」、巻末には小ネタ「理系豆知識」「オマケ用語」も充実。受験勉強の息抜きにはちょうど良いかも知れない。
著者の信定邦洋(のぶさだ・くにひろ)先生が医学部専門予備校で講師を務められていることもあってか、医学関係の用語が充実しているのも本書の特徴の1つ。例えば、経験した人もいるかも知れない、「本屋へ行くと『大』がしたくなる現象」に「青木まりこ現象」という名前がついていることは、一般の人の数倍は書店に足を運んでいたであろう(?)筆者自身も初めて知った(笑)
そして、理系学部の大学生、社会人ともなれば「理系?だったら○○って知ってる?教えて!」といった質問を、自身の専門などおかまいなしに無責任に(無邪気に?)浴びせられるという経験を一度するだろうから(?)、大学入学前や就職前、コンパの前などに(??)、本書のような本で「準備」するのも良いだろう。
