「大学入学共通テスト 数学T・A(/U・B)の点数が面白いほどとれる本(KADOKAWA)」
徒然レビュー
「大学入学共通テスト 数学T・A(/U・B)の点数が面白いほどとれる本」(KADOKAWA)
東進ハイスクール講師の志田晶先生が05年から出されていた「センター試験 数学T・A(/U・B)の点数が〜」(中経出版:当時)を土台に、共通テストでの出題が予想されるパターンを拡充し、チャレンジ問題を適宜差し替えた演習書。教科書学習後すぐから使えることを重視した構成で、前半の「パターン編」では見開きで1つのテーマを扱い、教科書学習時に差がつきやすい箇所を丁寧に解説している。
後半「チャレンジ編」には、試行調査の問題を思わせるものが何題か収録されているが、改題された箇所がある旨については、巻頭の「はじめに」でもきちんと触れられており、好感が持てる。選題は良いが、センター試験の過去問と思われる問題の解説は総じて詳しいものの、試行調査ベースの問題の解説は、この本を使うであろうレベルの人には多少そっけないように感じられた。
さて、内容以外の部分で、多少残念だった箇所がある。まず、本文中には「チャレンジ編」と書かれている箇所をさして、表紙カバーを見返した箇所では「演習編」と呼んでいる。次に、目次が、前半の「パターン編」についてはすべてのパターンの掲載ページをタイトルとキャッチフレーズまでつけてズラズラ並べているのに対し、後半の「チャレンジ編」についてはその開始ページが出ているだけ。チャレンジ問題は約100ページにわたり収録されているのに、どの分野から何題、どういった形式・内容のものが出ているか、実際にページをくっていかないと分からないのは明らかに不親切。(前述の解説面や、前半「パターン編」の重たさなども含めてになるが)今後の改訂に期待したい。