「数U 微分・積分が得意になる問題集(駿台文庫)」
徒然レビュー(再録)
04年10月8日「徒然レビュー」執筆分より
「数U 微分・積分が得意になる問題集」(駿台文庫)
1つの分野にしぼり、入試基礎〜標準の入り口レベルまでの問題を集めた問題集。著者は2人で、うち1人は「チェック&リピート」(増進会出版社)の共著者。
問題はテーマに分かれており、1テーマは1〜2ページ、5〜10問程度。さらにA、B、Cの3レベルに分かれており、Aは即答レベル、教科書内容をひととおりさらっただけでは歯が立ちにくいBが中心、Cがチャレンジ問題的位置づけになっている。
分野別の本としては分量的にやや多いので、全体を仕上げようとすると挫折する恐れもある。もし使うとしたら、さしあたって、たとえば面積なら面積、接線なら接線だけをやるなど、気になるテーマにしぼって、そこを集中的に演習していくのが良い。そのための本・・・つまり、演習量を増やして定着をはかる本であって、分野全体を単発の問題で網羅する本ではない、という印象を持った。
ターゲットはやはり文系の受験者であろう。どのみち文系ではこの分野がひとつのヤマになるわけだから、演習量が多いに越したことはない。とくに計算力の弱い人にはおすすめである。また、文系で頻出の「1/6公式」を使う問題も、この本では問題数をとって詳しく扱ってある。理系はここに深入りするよりさっさと数Vを先取りして欲しい。この分野をやるなら、センター対策を兼ねてそっちの演習書を使った方が良い。