「「3割以上8割未満」の皆さんへ(自己評価と復習)」
参考書の選び方・使い方
参考書・問題集の「3割購入&8割理解」を提唱しましたが(→
http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/192.html)、ひととおり解いただけで8割にたどり着けることはまれで、多くの場合は理解できない部分が2割以上残ります。そんなとき、復習をやった方がいいか、またやるとしたらいつどのようにやるべきか。今回はそのあたりの考え方について整理してみましょう。
復習というと、その場で解答を見ながらやり直すことを思い浮かべる人が多いと思います。確かに、間違いの原因が軽微な計算ミスだけならそれだけでもいいでしょうし、解答を追いながらやるのも大事なことです。
・・・が、これだけで復習が出来たと思ってはいけません。そもそも復習は何のためにやるのか。次は絶対に間違えないようにするのが目的でしょう。それにはきちんとした自己評価が欠かせません。
たとえば、こんな方法を考えてみました。大事なのは、正解したかどうかより、復習の必要性とそれがすぐ出来そうかどうかです。
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取り組んだ問題の問題番号の横に○○○を○を3個書き、次のようなルールに従って埋めていきます。
●●●:いつ出されても絶対解ける
●●○:簡単なミスだけなので次は絶対解ける
●○○:解答・解説を読んでとりあえず理解した
○○○:まったく手が出なかった
この方法の良いところは、復習で自己評価がアップしたとき空いた○を埋めれば簡単に書き足せるところです。さらに、初回は黒で●を書き2回目は赤で●を埋めるようにすれば、復習をしたかどうかも見て分かります。
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これに限らず、☆などの簡単な印でいいから問題文につけ、要復習の問題の割合とその度合いによって、次のように復習のタイミングを使い分けるとよいでしょう。
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1)その場で/少し間をおいて復習(●●○/●○○中心)
復習というと、解答を見ながらやり直すことを想像する人も多いと思いますが、それだけでは効果は期待できません。できれば1〜2週間ごとに復習の日を設け、解答・解説を読んでとりあえず理解しただけの問題を本当に何も見ずに解けるか、チェックしてみましょう。
また、網羅系参考書については、1つの章・分野を終えるごとに要復習の問題をまとめて解き直します。その際、なるべく1日から2日程度で終えられるように。全部を完璧にするのは無理でも、8割を目指すのならメドがつくでしょう。
・・・もし済まなければ(2)か(3)に進みます。
2)追いかけ復習(●○○中心)
少しまとまった量が残ってしまったが、処理できないほどではないという場合。このときは、とりあえず次の分野・本に進みながら、それと並行して要復習の問題だけをやり直します。
「詰まって」しまったときは、その場で長い時間をかけても効率が悪くなるだけですし精神衛生上もよくないので、確実に出来るところを先に済ませ、少し冷却期間をおいて、粘り強く考えていくことを勧めます。
目先を変えることと放置しないこと。意外とこのバランスがとれていない人が多い気がします。
3)戻って復習(○○○中心)
多くの場合(2)をしっかりやれば理解度の低いものもカバーでき、どうしても分からないものの割合は2割以下に抑えられるのですが、苦手分野などで明らかに消化不良に陥ってしまったら、そこは復習うんぬん以前に根本から考え方を変えましょう。
1日に1問でも2問でも先に進めればよしとするように学習計画を見直し、教科書や講義調の導入書などを活用しながら確実に進めていくのです。その際、決してあせらないこと。弱点を見つけることも、学習の大事な要素だからです。
筆者自身も、数学Vの積分計算がまったく出来ずに悩み、そこだけは教科書レベルの参考書を買って1からやり直した覚えがありますが、もしそのときに自分に合った本が見つからなかったら、そこで挫折していたかも知れません。
1つの分野あたり3日ぐらい集中して取り組み、何とか3割程度の問題を自力で解けるところまでもっていければ、そこからは今までと同じように進めていけるはずです。もしそれでも歯が立たなければ、レベルが明らかに違うので深入りすべきではありません。
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ただ、今述べたようなことはあくまでひとつの「目安」で、個人個人の状況によってやるべきことは変わってきます。網羅度・定着度と学習テンポのバランスをうまくとる。自分に厳しく学習を進めていくべきだが、何が何でもその場で理解すべきかというとそうではないということです。