家庭学習のウェイトが高くなる夏休みの時期は、しばしば
***「1問に時間をかけてじっくり取り組むチャンス」
と位置づけられます。でも具体的に何をしたらいいか、とくに5月の連休を何となく過ごしてしまった人には分かりかねると思うので、いま一度、状況別にまとめてみることにしました。
$ 1:過去問にチャレンジ
・・・出来るのならこれが理想です。卒業生の皆さんはもちろん、文系で数学の得意な皆さん、理系でも学校の授業進度が速く演習に入っている皆さんはまずこれを心がけてみてください。もし自信がなければ、第1志望の学校でなく少しレベルを下げてもかまいません。
参考書を見直しながらでもいいですし、解答時間もあえて意識しないようにして欲しいですが、まずは問題を解くイメージをつくり、そのために自分にどのような力が必要か見極めてください。
$ 2:何か1つでいいから得意分野をつくる
まだそこまでの力がついていないという人も、何か1つか、せいぜい2つの分野に絞れば、入試レベルに触れることは難しくありません。そうして何か1つだけでも「とっかかり」ができれば、そこまでの経験が以後の学習に生かされるはずです。
たとえば筆者は、数学3の微分・積分が苦手で最後まで苦しめられましたが、確率は比較的得意だったので、学校で配られたプリントと、高3になって始めたZ会の通信添削(出せずに放置していたものを含む)をやり直しました。
これをしばらく続けていて思ったのですが、自分では得意分野だと思っていたはずなのに、忘れているところが意外と多かったのです。それまで、自分は難問対策ばかりに気をとられ、基本的な内容をしっかり網羅するという姿勢に欠けていたのだと思います。
$ 3:苦手分野を教科書からセンターレベルまで
そこで、たまたま書店に行ったとき、難問対策用の本を買おうと思っていたのをやめてマーク模試の問題を集めた本を選ぶことにしました。具体的な書名などは忘れましたが、苦手分野についてはその本のレベルが意外とちょうどよく、別冊解答の解説も参考にしながら理解していきました。教科書を見直しながら知識が抜けているところを補い、解法に変なクセがついていたところも発見できたのですが、その多くは高1〜高2のあいだに気づくべきことで、今から思えばえらく遠回りをしたと後悔したものです。
今の受験生の皆さんは、こういうときに分野別の参考書を活用して欲しいと思います。導入の有無、問題のレベル・分量などを見極めて、ぜひ自分に合ったものを見つけてください。
いずれの場合にしても、重要なのは目的意識を持って今自分のために何が必要か考えたうえでそこに時間をかけるということです。今まで何となく片づけてきたものも、次は絶対に「やりっぱなし」にしないという強い気持ちで取り組んでいって欲しいと思います。
