「野竿センター数学T・A(/朝田U・B)講義の実況中継(語学春秋社)」
徒然レビュー
別冊で基礎、本冊で実践をカバーする講義調センター対策本
「野竿センター数学T・A講義の実況中継」
「朝田センター数学U・B講義の実況中継」(語学春秋社)
タイトルどおり、予備校の授業を受けているように読めるセンター対策本。センターの大問ごとの分野別編集になっている。本冊では、過去問の大問をT・Aで34題、U・Bで49題扱い、丁寧に解説している。他に別冊「公式集」(というよりこれ自体がもはや1冊の基礎編テキストになっているが・・・)が付属し、教科書〜入試基礎レベルの代表的な事項や問題を扱っている。
本冊の過去問にいきなり取り組むにはややツライ人は公式集からやればいいし、逆にある程度の基礎ができている人は過去問を解いて解説を読みながら、指定された公式集のページだけ読み直せばいいようになっている。「公式集」の内容がやや中途半端な印象は受けるが(特にT・Aでは、何を基本事項とするのか、また本冊と内容的にどう切り分けるのか苦労している様子)、1冊の本(本当は2冊だが)の中で完結させようとする姿勢は評価したい。
あと、T・AとU・Bで本冊の構成が若干違うところがあり、(あえてそうしているという様子ではないので)シリーズ構成面も考えて統一して欲しかった。例えば、T・Aでは問題文のあと本試・追試の別が書かれているがU・Bにはそれがない。また、U・Bでは問題文のあとまず解法の導入があり解答(計算部分)が続くのに対し、T・Aではそれがいっしょくたになっているのだが、前者はオーソドックスでどちらかといえば演習書(実践向けの本)でとられている手法なのに対し、後者はセンター形式(記述の答案を書かなくてよい)の演習書にのみ許される構成でかつ導入書(初学者向けの本)でとられている手法であり、かみあっていない。T・AとU・Bで著者を変えなければこういった問題はほぼ生じずに済むが、著者を変える場合は編集側がそのあたりにも気を配らなければならないと思う。
【リンク】
「野竿センター数学T・A(/朝田U・B)講義の実況中継」(語学春秋社)が買えます。
※旧版はT・A/U・Bともタイトルにある著者名が「岡安」となっていましたが、
著者が交代しています。お間違えにならないようにご注意ください!