2005/3/23

傘を広げ  彼と彼女の風景
彼女は歩き始めた。緑色を基調としたチェックの傘。自分の傘よりひと回り大きいかなと思いつつ、JRの駅へと向かった。

改札口を抜け階段を上りホームに出た。この傘を貸してくれた彼がいるかと思い見渡したが、どちら側のホームにも見つけられなかった。いつもこの時間に通っているのに、彼に会ったのは初めてだ。普通の詰め襟の制服だったので、どこの高校なのかも良く分からない。

今日1日はこの傘を借りて過ごすことになるけれど、いったいいつ返すことができるだろう? 彼はきっとずぶ濡れになってしまっただろうから、授業中たいへんだろうな。お礼をしなくちゃいけないな。

ぼんやりそう考えている彼女が立つホームに、水色の電車が滑り込んで来た。

Copyright (C) 2005 Setsu. All rights reserved.
0


※投稿されたコメントは管理人の承認後反映されます。

コメントを書く

名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ