2006/3/12

「いつになったら  彼と彼女の風景
お前の彼女を紹介してくれんるんだよ?」

金曜日の昼休みに、またあいつがやって来た。
「またお前か、なんだかくどいぞ。彼女じゃなくてその友人狙いなんじゃないのか?」
そう言われて言葉に詰まり、照れ笑いをしている友人の向こうから、
「何か新しい展開でもあったの?」
と、彼女の友達が声をあげた。

「いや、こいつが全然彼女を紹介してくれなくてさぁ」
「でもお前の場合、動機が不純なんだよ」
そう言われて皆で笑ったあと、友人がぼそっとつぶやいた。
「お前は週末はデートかもしれないけど、俺なんか暇でさぁ... 部活も休みだし」

「そうだ、明日から名画座で『ALWAYS 三丁目の夕日』をやるみたいなんだけど、観に行かないか?」
「あ、いいな。私も一緒に行ってもいい?」
「私も観たかったけど見逃してたから行きたいな」
珍しく彼女も会話に加わって来た。
「俺も行くよ。どうせ暇だし。でも、お前はいいのか? 彼女と会わなくても?」
「全然大丈夫」
「そうかぁ? 実はすごく嫉妬深い娘で、映画館を出た所で鉢合わせして修羅場なんてごめんだぞ!」
その言葉にひとしきり笑ったあと、彼が言った。
「明日の1時に駅前で待ち合わせにしようか。みんな都合は大丈夫?」
頷く3人の中で、彼女だけが意味深な笑みを浮かべているのに、他の二人は全く気がついていないようだった。
「じゃあ、それで決まり!」

「よっしゃ、何か元気が出て来た!」
そう言うあいつの言葉に、また皆が笑い声を上げた。

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