2015/10/26

寒いKARIDONAより脱出  

今日もIANNIS。

アップで丹念にムーブの確認をしたのち、体の冷えないうちに本気トライを。

そう思っていたが、タイミングは上手く合うもんじゃない。

休んでいる間に二人入って、次に二人がやり始めて、その4人目が上手く抜けられず長くなった。


体が冷えてきてじりじりしている私に、最初に「次やっていいか?」と訪ねてきた青年が、「ごめんなさい」と声を掛けてきた。

どうやらみんな仲間らしく、スペインから来ていて日本の企業に勤めていたことがあるという。

兄ちゃんは、すまなさそうに肩をすくめて私を見る。


他の人がすぐ終えたから、順番はすぐだろうと思ったのだけれど・・・

いい加減吹き付ける北風で体の冷え切ったころ、もう温まるために他のルートで再度アップしようかと動き出したところで漸く、最後の彼が抜けてくれた。

準備して脱ごうにも寒い。でも脱がないと、アっと言う間に暑くなるから我慢して脱ぐ。

震えながらのスタート。

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核心部手前では、落ち着きを無くして1ムーブ違うところでクリップしてしまう。

きつい。でもここさえ抜けてしまえば、その上にはレストポイントだ。

耐えて行くのみ。

甘いピンチ持ちを繋いで体を引き上げ、足を踏みかえると、クロスムーブで縦のカチを捉え、更に右手一本指のアンダーポケットを捉えた。

あとはこれで足に乗りこめば!
・・・!

て時に、下から「がんばー!!」の声。
あのアンちゃんだっ

くー!行ってやるぅ
体重が乗りきった。手をそぉ〜っと出す。

焦って強風にバランスを取られたら、全ては水の泡だ。

アンダーを下から押さえ、更に足を上げ、上の団子ホールドを掴めば、初めて横にあるドローにクリップが出来た。

まだパンプするセクションはあるが、この先落ちたことはこれまで5回のトライで一度も無い。

落ち着いて行きさえすれば大丈夫。

焦らずレストしたのち、ゆっくりと再び、ムーブを起こした。

7b+(12c)


これまでにも毎年登ってきたグレードではあるけれど、島に来て10日以内、故障持ちで登れるとは思っていませんでした。

弱気だっただけに私にとっては、意義ある一本となるスタートです。


後で「ガンバ」のお礼を述べると、兄ちゃんは疑問に思ったことを質問した。

「核心部って、みんなは横に行くけど、君ダイレクトに行ったよね?あれの方が良いの?」


う〜ん・・・誰もやらないかと。。
するとクノがすかさず「良くはないよ。彼女は小さいからアアなるだけだよ」

だよね。

スタンスの団子と、そのホールドになる一本指アンダー掛けの穴って、50pくらいしか離れてないものね。

大きくっちゃ、足入らないないと思います。

まぁこうやって、出来る独自のムーブを探りつつ、適したルートを探すしかないんでしょう。


昼になっても日陰のIANNISからは、これで脱出。

日の当たり始めているKARIDONAへ移動すると、遥か頭上で、周囲の空気を切り裂くような叫び声がコダマしていた。

仰ぎ見れば、AURORA 延長すれば8aはある高難度の7bのセクションで、女の子が文字通り泣き叫んでいる。

実際はルート35mの辺りなのだが、取り付きが高いので、居るのは遥か50mは上になる。

しかも彼女、泣き叫びながらもクリップしつつ、ジリジリと動いてはいる。

絶叫と呼べるくらいの凄まじい泣き方で、なのに、登ってはいるのだ。


「ここ右!?左なの?いやぁ〜っっわかんないわっ!」
てな感じで。


「ヴェラ頑張れ!」
「そこ!右だよ右!次は左だ!そこだ!ヴェラ頑張れ!頑張れヴェッラッ」

オマケにこのフランス人ファミリー、下も大いにやかましい。

「あの娘・・・名前はヴェラってのね・・・あそこまで泣いてちゃ、子供みたい」
「あれじゃ充分・・・大人とは言えないでしょ」


ところが・・・降りて来たヴェラちゃんは、ホントにあどけない顔を泣き腫らした、15歳くらいの女の子だった。

ピンクのウェアと声で、女性なのは解ったが、距離があったので歳までは判別できなかったのだ。

パパもとんでもないルートを、愛娘にやらせたものです。


更ににトップロープでこのルートをスタートしたのは、小学生くらいの弟でしたけれど。

本人は楽しそうだったが、日本じゃ・・虐待扱いかもね。





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