2016/8/7

Col de Mezzo  ドロミテ

Col de Mezzo - 2396m Spitagoras 500m 11p 6a


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たくさん登った夏でしたが、それも遂に最終戦です


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ドロミテで名高いトレチメ(ドライチンネ)の土台となる岩壁、それが、Col de Mezzo


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アパートの出発時に朝日を浴びる Pelmo(岩の崩壊跡が残る)


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地味だが確実な実力を要求される壁であり、その大きな壁を登り切ると、突如として美しい草原の向こうにそびえるトレチメが現れる

(更に進むと、超人気ハイキング、トレチメ一周表銀座の喧騒に飛び出すのが、唯一の難点?)

ガイドなんて仕事は、この確かな土台となる、Col de Mezzoのようなもの。

決して自らが、華やかなトレチメであってはならない。

この場合におけるトレチメは、お客様なのだから。


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経験者として主導権を持つことと、主役であることとは別物だが、それを自分がトレチメだと勘違いしている輩は多い。

だけど私たちは、この地味で硬く堅実な、「土台」であり続けたいと思う。

それ故に私たちには、相応しいルートだと感じたし、深い親しみをすら覚える壁だった。


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これからも地味だけれど確実な実力を持った、この壁であることを、少しずつ目指して行きたいと、改めて心に誓った日でもある。


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壁の標高差は400m、弱点を突いたラインのルート全長は500m。

それを11ピッチ程度で登るのだから、1ピッチはいずれもスタートを除いて40〜45m。

ボルトはその間に目印程度の2,3本と、あくまでも目印程度で、その数本があってもなおルーファイは難しく、かと言ってフェイスに近くなる傾斜とグレードでは、支点が取りにくい。

1997年初登でいわゆる古いラインを再登したものではなく、基となる昔のルートは無い。華やかな人気ルートでない分、これを選ぶクライマーは比較的コアな連中に限られる。

従って、残置も皆無となるのです。


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力の試されるルートですが、コースタイム6〜8時間のところ、登攀に要したのは6時間。


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すぐ後ろからスタートして私たちを抜く気満々だった後続も居たけれど、登り終えたときには、彼らを大きく引き離していた。

(下山して取り付きから見上げた壁の最終ピッチには、まだ彼らの姿があった)


結果から言えば、今年の成果としては満足のいくものでした。

何故なら追いかける彼らも、実力的にはそこそこの若者達だったから。


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ドロミテにおけるゲレンデ的なマルチ(残置だらけの超人気ルート)を除く、それ以外のラインを経験した人ならわかる。

こちらのガイドブックのコースタイムは、どれも初見で登るにはまずルーファイが難しく、特に下山のタイムも含めれば、その時間内では登れないのが普通のこと。

そして降りられない。

ドロミテのガイドブックによるコースタイムは、ルートを既に熟知している人が登った場合の所要時間であると、考えた場が良い訳です。


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ラインを探しながら登ると、多くは2割から3割増しに見積もらなければならないのが常となる。


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それが今年のTofana di Rozes を例にとれば、ボルトルートであることを考慮に入れても、内容的には難易度が高く、トポにはクラシックルートと同じ所要時間が記載されている。


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それでもTofanaでの登攀は、コースタイムを更に短縮することが出来た


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これがドロミテ、シャモニを含めた、アルプスで地道に重ねた17年間の成果だと、言えるのかもしれない

職人的な仕事は、現役である以上、仕事以外の時間での絶え間ない努力が必要であり、技術の向上を目指すことに終わりはない。

仕事内の努力程度では、ただの積み重ねであり、「出来る範囲内のルーチンワーク」でしかなくなるからです。

それ以上の経験を経て、初めて自分の目指すものが見えてくる。

だから私たちは、これからも登り続けるだろう。


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「いいかお前たち?勘違いすんなよ。決してガイドなんてもんはよ、主役じゃないんだよ」

「陰でお客さんを支える黒子であることが、本来の仕事なんだからな」


そういって、私たちの志した当初に諭してくれたのも、シャモニの人でした。


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本当に長い道のりではあったけれど、それはまだ、終わりではない。








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