ロンドン五輪の4日目の話と5日目の話を少々。
〜4日目の話〜
女子棒高跳では昨年の世界選手権4位のSuhr選手(米国)が4m75を2回目にクリア。
無効試技数の関係でトップに立ちます。
またSilva選手(キューバ)も2回目に4m75をクリアし、2位に。
イシンバエワ選手(ロシア)は2回目も失敗し、3回目をパス。4m80で勝負をかけます。
4m80もイシンバエワ選手はクリアできず、ここでイシンバエワ選手の3位が確定。
Suhr選手がこれをクリアできず、Silva選手の結果を待ちます。
Silva選手もこれをクリアすることはできず、試技数の関係でSuhr選手が優勝。
Silva選手は2位となりました。
女子砲丸投では世界選手権3連覇中のアダムス選手(ニュージーランド)が1回目に20m61を投げてトップに立ちます。昨年の世界選手権2位のオスタプチュク選手(ベラルーシ)は20m01で3位につけます。
2回目にオスタプチュク選手は21m31をマーク。トップに立ちます。
アダムス選手はファール。
3回目、オスタプチュク選手は21m36に伸ばします。
アダムス選手も20m70に伸ばしますが、順位は変わらず。
この後、両者とも記録を伸ばせず、結局オスタプチュク選手が21m36で金メダル。
オスタプチュク選手は2回目から5回目まで4連続で21mを超えるなど安定した投擲でしたね。
アダムス選手は2位でした。
3位には昨年の世界選手権5位のKolodko選手(ロシア)が20m48で入りました。
女子400mH準決勝3組には久保倉里美選手(アルビレックス)が出場。
序盤から積極的に攻め、勝負をかけますが、終盤に失速。56秒25で8位となり、決勝進出はなりませんでした。ただ、決勝を狙った作戦としては正しかったと思います。
男子400mHでは昨年の世界選手権4位のサンチェス選手(ドミニカ共和国)が47秒63で優勝。これは今季世界最高タイム。
サンチェス選手は2大会ぶりの金メダル。そういえば前回大会で優勝したテイラー選手も2大会ぶりの金メダルでしたね。そのテイラー選手は今回は48秒25で5位でした。
かつては無敵の強さを誇ったサンチェス選手も少し前に限界説が出ていましたが、今回の金メダルでまだまだ終わっていないことを世界に知らしめた形になりましたね。
2位にはTinsley選手(米国)が47秒91の自己新で入りました。
3位には昨年の世界選手権2位のクルソン選手(プエルトリコ)が48秒10で入りました。
昨年の世界選手権を制したグリーン選手(英国)は48秒24で4位。
女子3000mSCでは昨年の世界選手権を制したZaripova選手(ロシア)が終始積極的な走りを見せ、9分06秒72の自己新記録で優勝。
2位にはGhrbi選手(チュニジア)が9:08.37のチュニジア新記録で入りました。
この結果、世界歴代10傑がこんな感じに。
女子3000mSC 世界歴代10傑 ※2012年8月06日まで
8:58.81 Gulnara Galkina(ロシア) 2008.8.17 北京
9:06.57 Ekaterina Volkova(ロシア) 2007.8.27 大阪
9:06.72 Yuliya Zaripova(ロシア) 2012.8.06 ロンドン
9:07.14 Milcah Chemos Cheywa(ケニア) 2012.6.07 オスロ
9:07.32 Marta Domínguez(スペイン) 2009.8.17 ベルリン
9:07.41 Eunice Jepkorir Kertich(ケニア) 2008.8.17 北京
9:08.37 Habiba Ghribi(チュニジア) 2012.8.06 ロンドン
9:09.00 Sofia Assefa(エチオピア) 2012.6.07 オスロ
9:09.19 Tatyana Petrova Arkhipova(ロシア) 2007.8.27 大阪
9:09.61 Hiwot Ayalew(エチオピア) 2012.6.07 オスロ
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この手の種目としては意外にも世界選手権や五輪の記録が多いですね。
男子400mでは米国勢が決勝に誰もいないという珍しい展開。
優勝したのは、昨年の世界選手権を制したジェームズ選手(グレナダ)。これは自己新。もちろんグレナダ新記録でもあります。この種目で43秒台が出るのは4年ぶり。
2位のサントス選手(ドミニカ共和国)に0秒52差の圧勝でしたね。
〜5日目の話〜
女子やり投の海老原有希選手(スズキ浜松AC)は59m25でグループBで8位。
全体では15番目となり、決勝進出はなりませんでした。
60m11が通過ラインと海老原選手の実力をもってすれば、決して難しいラインではなかっただけに、最後の投擲が失敗投擲になってしまったことが悔やまれますね。
女子5000m
予選1組には福士加代子選手(ワコール)が出場。
10000mと同様、序盤から積極的に引っ張ります。
1000mが3:01.05、2000mが6:04.17、3000mが9:08.13、4000mが12:11.62とかなりいいペースで刻みます。
しかし、残り2周になる少し前くらいから10000mを制したT.ディババ選手(エチオピア)らが前に出てきます。
ここでディババ選手、デファー選手(エチオピア)、キビウォット選手(ケニア)の3人が先頭集団を形成し、どんどんペースを上げていきます。
後続にGolovkina選手(ロシア)、Culley選手(米国)らが続き、福士選手は8位に後退。
ラスト1周でもトップ3選手は激しい争い。
ただ、最後はちょっと流したようです。
それでもディババ選手が14:58.48、デファー選手が14:58.70、キビウォット選手が14:59.31と15分を切る好タイムでした。
福士選手は15:09.31で8位。順位での通過はできず、次の組の結果を待ちます。
次の組では新谷仁美選手が積極的な走りを見せます。
しかし途中からハドル選手(米国)が前に出て、引っ張る形になり、新谷選手は集団の中盤に後退。
ハドル選手はしばらく引っ張り続けます。
終盤はやはりケニア勢、エチオピア勢がスパート。
結局ブルカ選手(エチオピア)が15:01.44で1位。
2位には昨年の世界選手権を制したチェルイヨット選手(ケニア)が15:01.54、3位にはキピエゴ選手(ケニア)が15:01.87と1組同様、ケニア勢、エチオピア勢が3位までを占めます。
4位には地元イギリスのBleasdale選手が15:02.00、4位には後半レースを引っ張ったハドル選手が15:02.26で続き、ここまでが順位通過。
そしてこの後も次々と選手が入り、9位のRomagnolo選手(イタリア)が15:06.38となりここまでがタイムで通過。
新谷仁美選手は15:10.20の自己新をマークしましたが、この組10位となり、決勝進出はなりませんでした。
吉川美香選手は15:16.77で13位。
日本選手のタイムとしては3選手とも決して悪いタイムではありません。
その証拠にこんなものを。
女子5000m 日本選手 五輪パフォーマンス歴代10傑
15:09.05 志水見千子(リクルート) 1996.7.28 アトランタ 4位
15:09.31 福士加代子(ワコール) 2012.8.07 ロンドン 予選1組8位
15:10.20 新谷仁美(ユニバーサルエンターテインメント) 2012.8.07 ロンドン 予選2組10位
15:15.87 小林祐梨子(豊田自動織機) 2008.8.19 北京 予選1組7位
15:16.77 吉川美香(パナソニック) 2012.8.07 ロンドン 予選2組16位
15:20.46 福士加代子(ワコール) 2008.8.19 北京 予選2組10位
15:23.41 市川良子(JAL) 2000.9.22 シドニー 予選3組7位
15:23.56 志水見千子(リクルート) 1996.7.26 アトランタ 予選2組2位
15:38.30 赤羽有紀子(ホクレン) 2008.8.19 北京 予選2組12位
15:39.83 田中めぐみ(あさひ銀行) 2000.9.22 シドニー 予選2組9位
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10傑どころか5位以内に3人とも入っているのです。
そう考えると、やはり世界のレベルは高かったとしか言いようがないですね。
時間が激しく遅いので今日はここまで。

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