中学一年生のころ入っていた釣りクラブの名前である。
テンコチのことを神戸ではガッチョと呼ぶ。
十三歳だった俺は一人でその倶楽部に入会した。
周りは若くて三十歳代、会長は今思うと五十歳代であったように思う。
えんじ色の帽子、赤いシャツに白いベスト。その全てにガッチョ倶楽部の
マークが入っていた。お世辞にもカッコイイとは思わなかったがしごく愛着があった。
クーラーボックスやカバンにそのマークをマジックで
書いてクラブの一員であることに誇りを持っていた。
ガッチョ倶楽部は海あり川あり池ありと何でも釣る倶楽部で
毎月一回、例会を行っていた。
俺は一度も休むことなく例会に参加し年間賞を戴いた。
生まれて初めてトロフィーなるものを手にした。
毎回参加しているのだから当たり前である。
中学三年生になって俺はそのクラブを離れた。
ギターという新しい趣味が芽生えたからだ。
僅か二年間の在籍であったが
二十以上、歳の差がある大人のなかで遊ぶことが楽しかった。
あれから二十八年、もう誰も俺のことは覚えてらっしゃらないでしょうけど
俺にはあの頃の楽しかった思い出は忘れることは出来きません。
皆様お元気にしてらっしゃいますでしょうか?
暑中お見舞い申し上げます。

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