<11/6 モンタージュ 晴れ まっきー・U山>前回大面岩を訪れたのは、10年以上前の植樹祭が行われる前のこと。
この界隈の様子もすっかり変わり、かつてのアプローチがどこにあったか定かでない。
日本100岩場のガイドに従って、植樹祭広場の一つ手前の駐車場から遊歩道を経由して登山道に入る。
落ち葉の絨毯を歩くこと10分ほどで、記憶の中にあった沢にぶつかった。上流側を仰ぎ見ればこれまた記憶通りにカンマンボロンが鎮座していた。更に5分ほどで梢の間から大面岩が姿を現し(左写真)、
その先も、適度にあらわれるケルン、白テープ等に導かれ、
順調に大面岩基部に到着。
しかし順調なのはここまでだった。、頭上に樹林が覆いかぶさって岩の全貌が見えないので、肝心の取り付きがなかなか見つからない。
大面岩の基部を左端から右端まで彷徨って、昼近くになってようやくモンタージュの取り付きに辿りつけた。
以前来たときは、ここのすぐそばの北稜会ルートまで、登山道から何の苦労もなくたどり着けた記憶があるのだが、単なる記憶違いだったのだろうか・・・?
(取り付き下の斜面が大きく崩れて、登山道から岩に向けて素直に上がれなくなったことが原因なのではないか?と推測しているが・・・)
何もしないうちにすっかりいい時間になってしまい、完登はとうに諦めた。
が、このまま帰るには早すぎる時間なので、次回の偵察を兼ねて時間が許すまでルートを上がることにした。ところがいざ登りはじめて見れば、ぱっとしない1P目を皮切りに、濡れ濡れチムニーの2P目(雨はしばらく降っていないはずだけど・・・)、出だしでツリークライミングを強いられる3P目と、快適さからは程遠いクライミングが続いてすっかりモチンベーションダウン。
ここから先が本ルートのハイライトであることは承知しているが、まっきーがヘッデンを忘れたことにかこつけて、3P目終了点から懸垂で下る。
(写真は、3P目上部を右隣のルートからチョンボして回り込んでいるところ。本来は左のクラック沿いに登る・・・。ここまで来れば、岩もキレイなんだけどね・・・。)
本日は、みずがき山自然公園キャンプ場泊。
焚き火はできず寒いのでテントの中で飲み食いしていたら、はやくも7時半ころには眠くなって就寝する。翌朝明るくなるまで熟睡。
駐車場 9:00 〜 大面岩基部 9:40 〜 モンタージュ取り付き点 11:30 〜 ルート取り付き 12:00 〜 下降開始 15:00 〜 キャンプ場 17:00
<11/7 北稜ルート 晴れ 岩ひばり嬢・まっきー・U山>
今日は、岩ひばり嬢と7時過ぎに駐車場で合流して3人で北稜会ルートへ。
ひたすらボルトラダーを辿ってアブミに慣れよう!が本日のテーマである。
この夏、岩ひばり嬢もまっきーも本チャンに向けてアブミの練習をしたものの、
その成果を試す機会に恵まれず、「チャンスがあったらどこか人工ルートに行きたい」と岩ひばり嬢からリクエストされていて、近くにあって、秋遅くでも登れるということで、北稜会ルートに白羽の矢が立った。
北稜会ルートの取り付きは、モンタージュからすぐ右(20mぐらい?)に行ったところにあるテラス。
かつてはボルトにミニチュアアブミがかけてあって目印になっていたのだが、
なぜか今回は見当たらなかった。9:30 U山リードで登攀開始。
1P目はボルト間隔が遠くて、”念のために”と持ってきたチョンボ棒に散々お世話になった。
このピッチ、ボルトの間隔といい、根元までしっかりと打ち込まれたボルトの状態といい、この手の登攀に対する開拓者の力量を感じさせるピッチである。
うっかりとランニングをかけ忘れた”チョンボ棒に助けられしボルト”を何箇所も作ってしまったので、フォローの二人(特に背の低い岩ひばり嬢)は随分と苦労した模様。ゴメン。
2P目は1P目に比べればボルト間隔も穏やかになって随分と楽になった。
そのまま3P目もリンクして、太い木の生えたテラスでピッチを切る(正規のビレイ点の一段下)。
この時点で、すでに11時をまわっていたので、残り時間が気になったが、前回は歩いて降りた記憶があるし、TOPOにもそう書いてあるので、最悪ヘッデン下降でもなんとかなるかなと腹を決めて完登を目指す。
4P目から、まっきーにリードをバトンタッチ。
ここから6P目までラインは露出度の高いすっきりとしたカンテに取られていて高度感が素晴らしい。
6P目はかなり傾斜が落ち、多分、下にあれば快適なスラブといった程度のピッチなのだが、なぜかアブミが手放せない。実質的な最終ピッチとなる7P目は岩ひばり嬢にリードをバトンタッチ。
棚状のスラブにフリーでロープを伸ばしていく。
最終8P目は、ロープを解いて大まかな段を上がり、最後の岩に立てばそこは頂上。
突然目の前に十一面岩の全貌があらわれて、なかなか感動的なフィナーレであった。時刻はすでに16:30。陽はすっかり傾いて、パートナー達も瑞牆の岩も全てがオレンジ色に染まっていた。
<大面岩ピークにて>
瑞牆の岩峰を眺めながらゆっくりと今日のクライミングの余韻を楽しみたいところだが、”秋の日はつるべ落とし”で、のんびりしてはいられない。
記念写真撮影を済ませると、そそくさと小面岩とのコルに向けて下降を開始。
頂上下の懸垂ポイント(20m、1回)からコル付近までは踏み跡も比較的明瞭で楽に下れたが、その先でとっぷりと日が暮れて、ヘッデンの明かりでは踏み跡を判別できなくなってしまった。あとは勘に頼って下降を続けるしかない(途中の岩棚で懸垂一回)。
しばらく下って、ルンゼが開けたところで、ふと前方を見たら、偶然枯れ木に巻かれたテープを発見。それはまさしく、昨日彷徨い中に見かけたものだった。
これでおよその現在位置が判明し、昨日の記憶を呼び起こしながらさらに下ること約5分で登山道に無事合流。
昨日の大面岩基部彷徨がなければ、今日の下降はこうもスムーズにはいかなかったにちがいなく、終わってみれば「災い転じて福となす」+「終わりよければ全てよし」の諺を地でいくラッキーで楽しい二日間となりました。
駐車場に戻ってみたら、瑞牆を一周して先に帰ったT中さんからの書置きと差し入れのパンが車の上に置いてあった。ごちそうさまでした。
駐車場 7:50 〜 北稜会取り付き着 8:40 〜 クライミング開始 9:30 〜 頂上 16:30 〜 取り付き 18:00 〜 駐車場 19:10