台風19号の影響が気になり1週間前に雲見キャンプ場に連絡したところ、先週、クライミングに出たグループが、アプローチの懸垂地点までたどり着けずに帰って来た。道がかなり荒れているようなので、クライミングに行って欲しくないと言われる。メンバーで検討し、1日目はアプローチの偵察にあて、安全を確認してからクライミングする、時間を決め、途中でも下降すると、再度連絡しクライミングの了解を得る。
<アプローチ 偵察>
〇 昨年3月にスーパートリトンに行った時は、アプローチ道は、はっきりしていて、案内テープも懸垂地点まで、しっかり付いたが、今回は、シーズン初めのためか、道は倒木や獣道で荒れ、テープもほとんど見当たらなかった。結局、懸垂地点まで2時間以上かかり大汗!! 迷った時は、下るとあったが、下がりすぎると崖に当たる危険性あり、上がりすぎると懸垂地点まで遠のく。前日の偵察は正解だった。
〇 54番電柱の入り口からすぐに尾根に乗って、尾根を進むとわかりやすい。ただし、20〜30分尾根を歩いてからの下降点の見落としに注意。雑木林の広場まで行くと行きすぎで、その直前で下降する。上部の岩が見える範囲で斜面をトラバースしていくと、海の見える草付きの斜面に出るので、フィックスロープ沿いに右下方向に進む。雑木林を抜けると海岸への懸垂下降点に着く。
〇 水平歩道と言うより、まずは尾根線に乗る事が早道。岩に突き当たって下降するポイントが肝要。
<1・2ピッチ 5.8 50mカンテからスラブ+10m歩き O石リード>
特に難しくないがトラバースに移るポイント選びに悩む。ホールド、スタンスとも乏しいスラブの左上。下部はリスキー。上部の方が移りやすいが上がり過ぎるとビレイ点まで少しさがることになりいやらしい。細かいリスがあるのでナッツがあると安心です。2ピッチは歩き。3ピッチの取り付きを慎重に探しましょう。
*コーナークラックを40m垂直に上る。クラックがほとんど無くなるところで、カムで支点を取り、スラブを5mほど右へトラバース移動。フットホールドは小さいが、棚のハンドホールドがある。でも支点が取れないので確かに怖い。懸垂下降点を過ぎた立木でビレイ。10mほど右上に歩くと3ピッチ目の取り付きがある。
<3ピッチ 10a 35mハンド フィンガー 岩ひばりリード>
取り付きをしっかり確認し、下にお守りのカムをきめ、クライムオン!直上、松の木の先から右上、少し左上し、ハンガーボルト(懸垂点)で終了。極小カムとナッツが有効。4Pのレイバックに比べ、フットホールドがあるので安心。
<5ピッチ 先人クラック 10a 35m フィンガー・ハンドハング >
下部のクラックはハンドに見えるが、フィンガーからシンハンド。カムはキャメ#0.75以下を使った。上部のOWは#4までを使用。ハンガーボルトの終了点。(クラック左側)
*大テラスあり。6ピッチのためにクラック下に移動し、ビレイ点を再構築する。
。
<6ピッチ 5.9 35m オフィドゥス O石リード>
上部二俣は左上ルートを選択。
ムーブは左から捻って一気に左上のホールドを左手で掴みに行くべし。
後は安定姿勢が取れますのでここが核心。
*ロープの流れを考慮しハンガーボルトでビレイ。ただし7ピッチ目のクラックは、そこから5mほど右上なので、クラック下に移動しビレイ点を構築。
<7ピッチ 5.8 25m オフィドゥスからハング F見リード>
キャメ#5までを使用。#5が決まっていれば安心して乗越しできる。
クラックを抜けると、目の前にスラブ。錆びたハーケンが一本打ってあるのでそこを直上。スラブを抜けるとハンガーボルトの終了点。
*キャンプ場に到着したのは、日が暮れかけた5時過ぎだった。受付まで走り、遅くなりました!!と頭を下げる。心配したよ…と言われ、無事に帰れたこと、待っていてくれた人がいたことに、心から感謝したクライミングだった。
ありがとうございました。
<装備> 3人パーティーの場合
ダブルロープ60m2本、カムC#0.2〜4 2セット、#5 1本、極小カム3〜5本、ナッツ3〜5本、
ヌンチャク4〜6本、アルパインヌンチャク4〜6本、120cmスリング2〜3本、180cmスリング1〜2本
*細かく懸垂するなら50mロープの方が扱いやすい。
<反省>
・声が聞こえないのでトランシーバーは有効。でも事前に充電を確認しよう!
・水は、一人1〜1.5Lは必要、11月は暑い、大汗!!
・シャリバテ要注意、低血糖で帰り歩けなくなります!!!