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2010/6/22

名古屋の変わったオッサン  思い出の人達

名古屋市内の某所にDさんという、変わった電気屋のオッサンがいる。
私はDさんとは、直接会ったことはないが、ある家電メーカー主催の合同展示会で何度か顔を見ているので、知っているわけである。
Dさんの店は所謂、パパママショップで昔ながらの小さな電気屋を営んでいるが、彼の店は家屋が自己の不動産で土地は地主T.Hさんから借りて暮らしていた。
今から10数年前、地主T.HさんはDさんの住む土地に大型家電店を建設することを決意した。
Dさんの店の周りには金物店やファミレス等があったが、それらの店も全て、土地はその地主T.Hさんのものである。
大型店舗の建設費用は量販店の会社と折半だが、開店後は毎月、莫大な不動産収入が転がり込む仕組みである。
勿論、建設費用諸々も必要経費として落とせるわけである。
そこで、地主T.Hさんはそこで住んでる人や経営している人達に立ち退きの交渉を始めた。
ほとんどの人達が立ち退き料に納得して次の新天地へ移っていったが、ただ一人最後まで首を縦にふらなかった人がいた。
電気屋のDさんである。
将来、自宅の前に大型家電量販店ができるのに、である。
そこで地主T.Hさんは、Dさんの店を除いた全ての土地に、大型家電量販店Kの建設を行った。
Dさんはこの時、既に60代の高齢である。
地主T.HさんはDさんが先行き短く、彼がいなくなってからDさんが住んでた土地に喫茶店でも作れば、家電量販店に流れた客が入っていくだろう、等と皮算用を立てて建設を強行したのである。
そして完成した大型家電量販店Kは1階と2階が店舗、3階と屋上が駐車場で各階の床面積もかなり広いものである。
しかし、見る方角によってはまるで、立派なビルの隣に小さな祠がちょこん、と建っているように見えて、しかもよく見るとどちらも家電店という、考えようによってはけっこう異様な風景でもある。
それでも風のうわさによると、Dさんは周囲の人達に
「量販店Kに流れて来る客をウチに引き入れてみせる。」
と豪語していたという。
一方、多額の立ち退き料をもらった金物店のO.Kさんはそこから数キロ離れた所で店舗兼住宅の立派なビルを建て、現在も繁盛しているようである。
さて、Dさんは現在も同地にいるが、量販店の客が流れてくるどころか、たいていは店のシャッターが半分だけ開いててやっているのか、やってないのかわからないような状態である。
一度、店の奥を歩道からちらりと覗いたことがあるが、その時は店の奥でDさんが無表情で座っていた。
・・・
私は人事ながら、Dさんのことを考えた。
Dさんはおそらく、この年代の人間に多い「いっこく」なタイプな人だろうと思う。
「いっこく」な人間は狭い視野で自分中心にしかものを考えられないので、突然予期せぬことが起きるとそれが長い自分の人生の中で良いか悪いかというと、たいてい悪い方にしか判断できない。
しかも自分の固定観念にこり固まっているから、「従来にないもの」を受け入れようとはしない。
そして「いっこく」であるがために、変に意地になって一生に一度あるかどうかという、チャンスを自らドブに捨ててしまったのではないか。
家電メーカー主催の合同展示会ではいつもDさんは奥さんといっしょだったが、奥さんも仕方なくDさんについているんではないだろうか。
そうだとしたら、「いっこく」な男のために周囲の者まで犠牲になってしまうのは、あまりに愚かなことだと思う。
私は「いっこく」なDさんを反面教師に見立てて、自分の家族には自由で豊かな人生を送ってもらえるようになってほしいし、私自身より幸福になってほしいと思う。
もし私が地主T.Hさんのような人から大金をもらったら、さっさと今の仕事をやめて郊外でのんびり暮らすだろう。
そして、今までできなかったことをいろいろやってみたい。
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タグ: 人生



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