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2011/9/7

エドガー・フローゼ”Kamikaze 1989”  タンジェリン・ドリーム



この作品はタンジェリン・ドリームの中心人物エドガー・フローゼが1982年に発表した同名映画のサウンド・トラック・アルバムです。
この映画は1982年公開の刑事アクションもので、ウォルフ・グレム(wolf gremm)監督、そして主演は当事のドイツで名優で映画監督、脚本家でもあったライナー・ヴェルナー・ファスビンダー(Rainer Werner Fassbinder 1945年5月31日- 1982年6月10日)であります。
ファスビンダーは映画監督としても有名で、多くの作品を創りました。
(この映画ではあくまでも俳優として出ているようです。)
私生活では両刀使いでジャンキーであったファスビンダーは、この年にコカインの過剰摂取によって37歳の若さで死去しましたが、そういう意味ではこの映画は彼の遺作のようなものでもあります。
一方、エドガー・フローゼの手による”Kamikaze 1989”は彼のソロアルバムの中でも唯一のサウンド・トラック・アルバムであります。
80年代以降、彼のグループであるタンジェリン・ドリームは既に自己の音楽スタイルを確立し、著名度も増して徐々に映画音楽の製作の依頼も増えてくるようになりました。
後にクリス・フランケは、
「あの頃、我々はワーカホリックになっていた。」
と語っていたように、この時期の彼らはまさに映画音楽の量産工場と化していたのです。
勿論、こうした事情の背景には電子楽器の技術の進歩も上げられます。
ディジタル・シンセが市販化されるようになったのもこの頃であったし、シーケンサーによる演奏情報の打ち込みや自動演奏に関する性能も格段に向上し、
「70年代に3ヶ月かけて創った曲創りが3週間でできるようになった。(フランケ談)」
ということも、理由にあげられます。
しかし、このアルバムのみ、どういう理由でグループでの作業ではなく、フローゼ個人で製作したのかは定かではありません。
さて、このサントラに収められている曲についてですが、80年代に輸入LPで初めて聴いた時は、単調なリズムの上にこれまた単調なメロディやフレーズを乗せた感じで、同じ彼のソロアルバムである”Aqua”や”Macula Transfer”に比べると正直言って退屈な印象を持ったものです。
そして暫くして中古レコード屋に売ってしまったのですが、今、改めて聴きなおしてみると時代を先取りしたというか、世に出るのが20年早すぎた感じがしました。
今頃になってようやく良さがわかってきたわけですが、フローゼ御大と凡人である自分との違いが身にしめて感じた次第でございます。
”Aqua”の頃のフローゼ御大は、様々な現代音楽の影響を受けていましたが、このアルバムでは同じシンセ・ミュージックでも同時期のクラフトワークやピーター・バウマンとも違い、そして自らのグループであるタンジェリン・ドリームの70年代の頃とも違う、独自の音楽を確立していったのです。
さすがは御大でございます。
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