1 はじめに
1.1 このゲームは、TVアニメ「装甲騎兵ボトムズ」の第2クール「クメン編」における、クメン政府軍傭兵部隊と神聖クメン王国の戦いを再現したゲームである。
1.2 このゲームは2人用で、それぞれクメン政府軍傭兵部隊(以下傭兵側)と神聖クメン王国のビーラーゲリラ部隊(以下ビーラー側)を担当する。
1.3 プレイには、6面体ダイス2個以上と不透明なカップ2個が必要な為、予め用意して頂きたい。
2 定義
2.1 全般
2.1.1 勝利への進捗状況を表す点数を勝利ポイントと呼び、VPと表記する。
2.1.2 ダイスを振ることをDと表記し、その前の値は振るダイスの数を表す。2Dならダイス2個を振った合計値となる。
2.1.3 両軍のプレイシートにある4つの軍ボックスと軍マーカーは、マップ上が煩雑になった際に、自由に使用して頂きたい。
2.1.4 傭兵側はEX-10を本拠地とする。ビーラー側はカンジェルマン宮殿(以下宮殿)を本拠地とする。尚、本拠地も拠点のひとつである。
2.2 カウンター
2.2.1 カウンターにはユニットとマーカーがある。ユニットには、アーマードトルーパー(以下AT)、兵士、ヘリの3種類がある。ユニット以外はマーカーである。
2.2.2 特別に指示が無い限り、カン・ユー隊、キリコ、ブルーAT、ストライクドッグ、プロトワンの各ユニットもATとして扱う。また、ブルーAT、ストライクドッグ、プロトワンを合わせてPSと表記する。
2.2.3 ユニットの数値や名称が記載されている面を「表」と呼ぶ。マークが描かれている面を「裏」と呼び、隠匿状態を表す。尚、ヘリユニットには隠匿状態は無く、裏面は「行動済」を表す。
2.2.4 ユニットの識別ラインは、判別しやすくするためのもので、色自体には意味はない。
2.2.5 カン・ユー隊は、通常は黒字の能力値を使用するが、ステージ1・3・4では能力が上昇して赤字の能力値を使用する。尚、所在が相手に露見する恐れが無い場合は、置換用ユニット(カン・ユー隊A=青地のオレンジライン)に置き換えてプレイすることをお薦めする。
2.2.6 ゲームターンマーカーは、次のターンにステージが移行する場合に、忘備の為に裏返して表示する。
2.2.7 フェイズマーカーは、カン・ユー隊とブルーATの戦闘が発生した時に、忘備の為に裏返して表示する。
2.2.8 ステージマーカーは、カン・ユー隊の能力が上昇するステージ1・3・4では、裏返して表示する(キリコ面)。
2.2.9 ダイスチェック修正マーカーは、ステージ2の脱出チェック、ステージ6のストライクドッグ到着チェックやキリコ登場チェックで使用する。ダイスチェックに修正が発生した場合に、ステージマーカーの脇に正位置で置いて、次回チェックでのダイス修正値を表示する。
2.2.10 戦闘ヘックスマーカーは、戦闘の際に戦闘解決中のヘックスに置いて表示する。攻撃判定マーカーは、多数ユニットでの戦闘時に、攻撃判定を行っているユニットの隣りに置いて表示する。
2.2.11 撃破マーカーは、攻撃判定前のユニットが撃破された場合に隣りに置いて表示する。攻撃判定済みのユニットが撃破された場合は、撃破マーカーを使用せずに直ちに取り除いてもよい。撃破マーカーが不足した場合は、代用品を用いてもよい。
2.2.12 マップ上にないヘリユニットをストックと呼び、マップの脇に置いて管理すること。
2.3 ヘックスの支配
2.3.1 第一戦闘フェイズ及び第二戦闘フェイズの全ての戦闘を解決した後で、各拠点ヘックスの支配権を確認する。支配側の支配マーカーを置いて、支配状況を表示する。
2.3.2 傭兵側増援ルートである2つの河川ヘックス(C08,D07)は、増援フェイズでのみ支配権を確認する。この支配権は増援フェイズ中でのみ使用するため、支配マーカーは置かない。
2.3.3 支配権は、以下の様に判定する。
1) 自軍ユニットのみがある……そのユニットの表裏に拘わらず、自軍支配となる。
2) 両軍のユニットがある………表のユニットがある側が支配する。尚、戦闘フェイズ終了後に両軍の表のユニットがある事はありえない。
3) 両軍の裏のユニットがある……どちらも支配できずに中立となる。
4) 両軍ともユニットがない………拠点ヘックスでは支配権は変更されずに以前の状況が継続される。拠点以外のヘックス(C08,D07)では、どちらも支配できずに中立となる。
3 シークエンス
3.1 ゲームはターンを繰り返してプレイし、各ターンでは以下のフェイズを順番に行う。
1) 増援フェイズ
2) ビーラー側移動フェイズ
3) 第一対応フェイズ
4) 第一戦闘フェイズ
5) 傭兵側移動フェイズ
6) 調査フェイズ
7) 第二対応フェイズ
8) 第二戦闘フェイズ
4 増援フェイズ
4.1 増援フェイズは、ビーラー側、傭兵側の順で解決する。
4.2 コンポーネントのユニットが尽きた場合は、それ以上増援を受け取ることはできない。
4.3 ビーラー側増援
4.3.1 まず、支配している拠点の拠点ポイントを合計して得る。
4.3.2 次に、拠点ポイントを使用して、ユニットや対応ポイントを得る。1拠点ポイントを使用する毎に、以下のどちらかを実施する。
1) ユニット1枚を得る
2) 2対応ポイントを得る
4.3.3 拠点ポイントは、そのフェイズでの使い切りで蓄積や繰り越しはできない。使用しなかった分は消失する。
4.3.4 ユニットを得る場合、自軍増援カップから引いて、裏で宮殿に配置する。
4.3.5 対応ポイントは対応ポイントトラックで管理する。9ポイントまで保有でき、ターンの繰り越しや蓄積ができる。尚、9ポイントを超える分は消失する。
4.4 傭兵側の増援
4.4.1 まず、本拠地の裏のヘリを、全て表にする。
4.4.2 次に、補給線を確認する。EX-10とザクイ及び間の2つの河川ヘックス(C08,D07)の4ヘックスの内、いずれかひとつでも敵支配の場合、増援を受け取ることはできない。尚、敵支配でなければ、中立でもよい。
4.4.3 増援を受け取れる場合、傭兵側増援表の「カップ」と「ヘリ」のそれぞれについてダイスを1個ずつ振り、増援を受け取る。
1) 「カップ」の数値と同枚数を自軍増援カップから引いて、EX-10に裏で配置する。
2) 「ヘリ」の数値と同枚数のヘリをストックから取り、EX-10に表で配置する。
4.4.4 【VPの獲得】 支配している拠点の2拠点ポイントにつき1VPを得る。端数切捨て。
4.5 総攻撃ターンの確認
4.5.1 傭兵側プレイヤーは、第7ターンの増援フェイズにおいて、メルキア軍によるクメン総攻撃ターンの確認を行う。
4.5.2 7枚の総攻撃ターンマーカーを裏にして場に並べてよく混ぜ、ランダムに1枚引いて表を見てから、総攻撃ターンを密かに確認する。
4.5.3 引いた総攻撃ターンマーカーは総攻撃ボックスに裏で置く。残りの総攻撃ターンマーカーは裏のまま脇に除けておく。
4.5.4 傭兵側は、総攻撃ボックスのマーカーの表をいつでも見てよい。しかしビーラー側は、ゲームが終了するまで、全ての総攻撃ターンマーカーの表を見てはならない。
5 移動フェイズ
5.1 第2フェイズはビーラー側が、第5フェイズは傭兵側が移動を行う。自軍移動フェイズでは、自軍ユニットを任意に選択して移動させることができる。移動の実施は任意であり強制はされない。
5.2 自軍移動フェイズ中の任意のタイミングで、自軍の裏のユニットを任意に選択して表にしてよい。また、自軍本拠地にあるユニットを任意に選択して裏にしてよい。但し、ヘリは対象外とする。
5.3 全てのユニットは、一律に5移動力を持つ。但し、ヘリのみ9移動力を持つ。
5.4 各ユニットを移動させる場合、隣接するヘックスに進入する毎にそのヘックスの地形に対応した移動コスト分の移動力を消費する。移動力の範囲内で、何ヘックスでも移動してよい。移動力は各フェイズでの使い切りで、蓄積や繰り越しはできない。また、他のユニットへの譲渡もできない。
・ 森……3移動コスト
・ 河川…2(1)移動コスト
・ 高地…3移動コスト
5.5 移動を行うユニットの表裏は、移動には影響しない。
5.6 河川移動…河川沿いに隣接ヘックスへ進入する場合は、1移動コストで移動してよい。尚、移動の途中で、河川移動と通常移動を任意に組み合わせてよい。
5.7 敵ユニットがいるヘックスへ進入する場合、その敵ユニットの表裏に拘わらず、追加で1移動力を消費する。
5.8 敵ユニットがいるヘックスから出る場合、追加移動力等は不要で、通常通り移動を行ってよい。尚、直接敵ユニットのいるヘックスへ移動してもよい。
5.9 ビーラー側の移動
5.9.1 フェイズ開始時に、兵士がいるヘックスの表のユニットを、任意に選択して裏にしてよい。裏の兵士がいるヘックスでは、その兵士を一旦表にして存在を明示してから、裏にしたい他のユニットと一緒に裏にすること。
5.9.2 敵ユニットがいるヘックスに進入したら、その敵ユニットの表裏に拘わらず、直ちに移動を終了しなければならない。
5.9.3 プロトワンは、宮殿ヘックスから移動することはできない。
5.10 傭兵側の移動
5.10.1 表の敵ユニットがいるヘックスに進入したら、直ちに移動を終了すること。
5.10.2 裏の敵ユニットしかいないヘックスに進入した場合は、移動力の範囲内で移動を継続してよい。
5.11 ヘリの移動
5.11.1 各ヘリは1ターン中に、第一対応フェイズ・傭兵側移動フェイズ・第二対応フェイズの3つの内、いずれか1回だけ移動できる。
5.11.2 「行動済」の面のヘリは移動できない。
5.11.3 全ての地形のヘックスに、1移動力で進入できる。
5.11.4 敵ユニットのいるヘックスに進入する場合、その敵ユニットの表裏に拘わらず移動終了となる。尚、他のユニットと同様に、追加で1移動力を消費すること。
5.11.5 積載:ヘリ1枚は、移動する際にATか兵士を1枚積載できる。積載されたユニットは直ちに表になり、積載するヘリと同じヘックスへと移動する。
6 スタック
6.1 ひとつのヘックスに複数のユニットを置くことをスタックという。
6.2 ひとつのヘックスに、敵味方を問わず、何枚のユニットがスタックしてもよい。
6.3 ユニットを重ねてスタックしている際に、相手プレイヤーから要請があった場合、ユニットをずらして、その枚数や内容を見せなければならない。但し、裏ユニット(隠匿面)を裏返して表の内容を見せてはならない。
7 対応フェイズ
7.1 各対応フェイズでは、自軍ユニットを移動させることができる。下記のルール以外は、通常の移動ルールに従うこと。
7.2 傭兵側の対応
7.2.1 第一対応フェイズと第二対応フェイズの両方で移動できる。第二対応フェイズでは、ビーラー側が移動を全て完了した後で行うこと。
7.2.2 本拠地にあるヘリのみが、移動できる。但し、「行動済み」の面のヘリは移動できない。
7.2.3 本拠地に表の敵ユニットがある場合、全てのヘリは対応移動できない。
7.2.4 ヘリを移動させる際に、通常通り積載してもよい。
7.3 ビーラー側の対応
7.3.1 第二対応フェイズでのみ移動してよい。傭兵側の前に全ての移動を完了すること。
7.3.2 第二対応フェイズ開始時に、裏の自軍ユニットを任意に選択して表にしてよい。尚、この作業は移動を行う前に、全て完了すること。
7.3.3 表のユニットを任意に選択して移動させてよい。ユニット1枚を移動させるごとに、1対応ポイントを消費する。対応ポイントを消費できない場合は移動できない。
7.3.4 表の敵ユニットがあるヘックスから移動を開始する場合、表の敵ユニットと同枚数の表の自軍ユニット(=足止め部隊)がそのヘックスにあれば、それ以外の自軍ユニットは移動することができる。尚、足止め部隊は、このフェイズで他のヘックスから移動して来たユニットでもよい。即ち連鎖対応が可能である。
7.3.5 対応移動では、3移動力のみ使用できる。
7.3.6 例外として、隣接ヘックスへ移動する場合に限り、必要移動力が4であっても移動してよい。
8 調査フェイズ
8.1 傭兵側は、自軍の表のATと兵士があるヘックスに、裏の敵ユニットがある場合に、調査を実施できる。調査はヘックス単位で行う。調査の実施は任意であり、強制はされない。
8.2 傭兵側の裏のユニットやヘリは、調査を実施できない。
8.3 ビーラー側の表の敵ユニットがあるヘックスでも、調査を実施してよい。
8.4 調査を行う傭兵側ユニットごとにダイスを1個振る。以下の出目であれば調査成功となる。
・兵士……1〜5
・AT ……1〜3
8.5 調査に成功するごとに、そのヘックス内の裏の敵ユニットを任意に1枚選んで表にする。
9 戦闘フェイズ
9.1 フェイズ開始時に、ビーラー側の表のユニットがある全てのヘックスで、傭兵側の裏のユニットを全て表にする(強制)。尚、同ヘックスにあるビーラー側の裏のユニットは表にしない。
9.2 両軍の表のユニットがある全てのヘックスで、強制的に戦闘が発生する。表のユニットが片軍にしかないヘックスでは戦闘は発生しない。
9.3 例外として、拠点攻撃力を持つ支配拠点ヘックスに、非支配側ユニットがある場合は、両軍の全ユニットを表にして戦闘が発生する。尚、支配側ユニットが無い場合でも、拠点攻撃力(9.12)のみで戦闘を解決すること。
9.4 戦闘が発生したヘックスを戦闘ヘックスと呼び、戦闘は戦闘ヘックス単位で解決する。戦闘ヘックスが複数ある場合は、フェイズプレイヤーが戦闘を解決する順番を任意に決定する。第一戦闘フェイズはビーラー側が、第二戦闘フェイズは傭兵側が、それぞれフェイズプレイヤーである。尚、戦闘解決の順番はあらかじめ決めておく必要はなく、一つの戦闘を解決するごとに次の戦闘ヘックスを決めてよい。
9.5 戦闘ヘックスにある表の全ユニットが戦闘に参加しなければならない。同ヘックスの裏ユニットは攻撃に参加しないが、自軍が後退した場合は裏のまま後退しなければならない。行動済みのヘリも、戦闘に参加しない。
9.6 各戦闘は戦闘ラウンドを繰り返して解決する。各戦闘ラウンドは以下の手順で解決する。
1) 組み合わせ決定
2) 攻撃判定
3) 被害適用
4) 後退
9.7 どちらかが全滅するか後退するまで、戦闘ラウンドを繰り返すこと。
9.8 組み合わせ決定
9.8.1 まずフェイズプレイヤーが、両軍のユニットを1対1で任意に組み合わせる。
9.8.2 但し、PSがいる場合は、常にPSの組み合わせ相手1枚をビーラー側が最初に決定する。第二戦闘フェイズでは、PSの組み合わせ相手1枚を決定した後で、傭兵側が残りのユニットで組み合わせを決定する。
9.8.3 続いて枚数の多い側が、残りのユニットをすでに決定した組み合わせに振り分ける。この時、各組み合わせの枚数をなるべく均等にする。各組み合わせで、2枚以上の差があってはならない。例えば、5枚と3枚の戦闘の場合、3対1の組み合わせがあってはならない。
9.8.4 各組み合わせ決定後に、敵ユニットが2枚以上ある組み合わせについては、攻撃判定に移る前に攻撃目標ユニットを選定すること。
9.8.5 第2ラウンド以降は、前ラウンドの組み合わせを変更せずに継続する。組み合わせ相手を全て撃破してフリーになったユニットがある場合、敵味方のフリーユニット同士で(9.8.1〜9.8.4)に従って新たな組み合わせを決定する。その後、(9.8.3)に準じて、全ての組み合わせを対象として判断する。抵触する組み合わせがある場合は、超過した分のユニットをその所有者が他の組み合わせに移動させること。
9.8.6 第2ラウンド以降も、PSのみは常に最初に組み合わせを決定する。この時、前ラウンドの組み合わせを一切無視して、PSの組み合わせ相手を新たに決めてよい。この為に組み合わせ相手がいなくなったユニットは、フリーユニットとして扱うこと。
9.9 攻撃判定
9.9.1 両軍の各ユニットは、組み合わせの敵ユニットに対して攻撃を行う。組み合わせの敵ユニットが複数ある場合は、(9.8.4)で選定した目標を攻撃する。
9.9.2 どちらが先に攻撃してもよいが、原則的にはフェイズプレイヤーから先に判定するとよいだろう。
9.9.3 攻撃ユニットの攻撃力から目標ユニットの防御力を引いて命中値を算出して、ダイス2個を振る。出目合計が命中値以下なら目標は撃破される。命中値を越えたら無効となる。
(攻撃力)−(防御力)≧2D →目標撃破
9.9.4 攻撃判定前に撃破されたユニットには、撃破マーカーをそばに置いて表示すること。
9.10 被害適用
9.10.1 被害は両軍同時に適用する。
9.10.2 撃破されたユニットが、ヘリの場合はストックに戻す。ATや兵士の場合は自軍の増援カップに戻す。
9.10.3 ビーラー側は、撃破された両軍のユニットをカップに戻す前にVPの獲得(10項)を行うこと。
9.10.4 カン・ユー隊やPSが撃破された場合はカップには入れずに、戦闘フェイズ終了時に自軍本拠地に表で戻すこと。但し、この戦闘フェイズで自軍本拠地が敵に支配された場合は、ゲームより除外すること。
9.11 後退
9.11.1 フェイズプレイヤーから先に、後退するか継戦するかを選択する。両軍が継戦を選択した場合は、次の戦闘ラウンドを開始する。【注意】戦闘が発生しなかったヘックスでは後退も発生しない。
9.11.2 フェイズプレイヤーが後退した場合、非フェイズプレイヤーは後退できない。
9.11.3 後退か継戦の選択は任意である。但し、自軍に裏のユニットしか無くて敵軍に表のユニットがある場合は、必ず後退しなくてはならない。これを強制後退という。
9.11.4 ビーラー側は、後退か継戦かの選択の際に、表の自軍ユニットがPSしか無い場合は、ダイスを1個振る。1〜3なら強制後退となり、4〜6なら継戦してもよい。尚、PSが2枚ある場合、ダイスは1回だけ振って判定する。
9.11.5 以下のヘックスへは後退できない。
1) 表の敵ユニットのあるヘックス
2) 本拠地と反対方向のヘックス
3) 拠点攻撃力を有する敵拠点ヘックス
9.11.6 裏の敵ユニットがあっても、表の敵ユニットがなければ、後退してよい。
9.11.7 戦闘フェイズ開始時に表の敵ユニットがあったヘックスでも、後退する時点で表の敵ユニットがなければ、後退してよい。
9.11.8 後退可能なヘックスが無い場合は、継戦しなければならない。また、強制後退の時に後退可能なヘックスが無い場合、裏のユニットを全て表にして継戦しなければならない。
9.11.9 後退する場合、表裏に拘わらずそのヘックスの全ての自軍ユニットを隣接ヘックスへ移動させる。全てのユニットを同一ヘックスへ後退させる必要はなく、別々のヘックスに後退させてもよい。但しヘリユニットのみは、直ちに本拠地に戻して「行動済」の面にする。この時、敵ユニットの存在は一切無視すること。
9.11.10 後退する隣接ヘックスは、必ず本拠地方向でなければならない。傭兵側は北東・南東・南の方向へ、ビーラー側は北・北西・南西の方向へ移動させること。反対方向のヘックスへは後退できない。
9.11.11 敵支配下で拠点攻撃力を有する拠点ヘックスは、表の敵ユニットが無くても後退できない。
9.11.12 PSが強制後退する際に後退可能なヘックスが無い場合は、戦闘フェイズ終了時に表で宮殿に戻すこと。尚、この場合はあくまで後退なので撃破としては扱わず、傭兵側はVPを得られない。
9.12 拠点攻撃力
9.12.1 拠点攻撃力を持つヘックスで戦闘が発生した場合、拠点支配側が拠点攻撃力による先制攻撃を行う。
宮殿……7攻撃力×7回
EX-10 …7攻撃力×5回
ザクイ …7攻撃力×4回
EX−9…7攻撃力×3回
9.12.2 拠点攻撃は、第1ラウンドの前に1回だけ発生する。
9.12.3 拠点攻撃の組み合わせは、拠点支配側が(9.8)に則って行うこと。
9.12.4 拠点攻撃での被害適用は、第1ラウンドの前に適用すること。
9.13 ヘリの帰還
9.13.1 各戦闘フェイズの戦闘解決後、全てのヘックスの支配権を確認した後で、ヘリの帰還を行う。
9.13.2 傭兵側は、本拠地以外にある全てのヘリを本拠地に戻して「行動済」の面にする。尚、戦闘を行ったかどうかに拘わらず、帰還させなければならない。
9.13.3 帰還の際は、本拠地までのルートや敵ユニットの存在は一切無視すること。
9.13.4 ヘリを帰還させる際に、同ヘックスにあるATか兵士を積載(5.11.5)して、一緒に本拠地に戻してもよい。
10 VPの獲得
10.1 ビーラー側は、戦闘で撃破された両軍のユニットにより、VPを獲得する。
▷ 自軍被害…撃破された自軍のAT1枚につき、1VPを得る。兵士とPSは対象外とする。
▷ PS経験値…ブルーATかストライクドッグが撃破した傭兵側ユニットの防御力と同数のVPを得る。但し、ヘリを撃破した場合は3VPではなく2VPを得る。
10.2 傭兵側は、PSを撃破する度に5VPを得る。但し、強制後退の際に後退できずに宮殿に戻った場合は撃破ではないので得られない。また、ステージ6でキリコがPSを撃破した場合も、VPを得られない。
10.3 両軍とも、ステージの特別ルールによりVPを獲得することがある。
10.4 獲得したVPは、VPトラックに加算して管理する。
11 ヌバ高地
11.1 ヌバ高地ヘックスでは、両軍とも常に裏のユニットを全て表にしなくてはならない。
11.2 裏のユニットがヌバ高地に進入したら、直ちに表にすること。通過する場合は、進入時に表にしてから、移動を継続すること。
11.3 裏のユニットが後退で進入した場合も、表にすること。
11.4 ビーラー側は、移動フェイズ開始時に、自軍の兵士があってもユニットを裏にすることができない。
12 ステージ
12.1 ゲーム内でのストーリー的な状況をステージとして表現する。
12.2 ゲームは初期ステージで開始するが、状況の変化により他のステージに移行する。
12.3 次ターン開始時にステージが移行する場合は、ターンマーカーを裏返して表示しておき、次のターンの開始時にステージを移行すること。尚、同一ターン中に「次ターン開始指示にステージ移行」の結果が重複した場合は無視すること。
12.4 初期ステージ
▷ カン・ユー隊とブルーATが同じ戦闘に参加したら、戦闘結果に拘わらず、次ターン開始時にステージ1へ移行する。尚、カン・ユー隊とブルーAT同士が直接攻撃を行わなくても適用する。
12.5 ステージ1:遭遇
▷ カン・ユー隊を本拠地に戻す。
▷ カン・ユー隊の能力が(12-6)に上昇する。
▷ カン・ユー隊とブルーATが同じ戦闘に参加したら、このヘックスの戦闘解決後に傭兵側がダイス1個を振って遭遇チェックを行う。尚、カン・ユー隊とブルーAT同士が直接攻撃を行わなくても適用する。
1〜2 …傭兵側は4VPを獲得する
3〜6 …直ちにステージ2へ移行する
▷ 但し、ブルーATの攻撃でカン・ユー隊が撃破された場合は、遭遇チェックを行わずに直ちにステージ2へ移行する。
12.6 ステージ2:キリコ幽閉
▷ カン・ユー隊の能力が(11-5)に戻る。
▷ ブルーATを宮殿に戻す。
▷ 毎ターン開始時に、傭兵側がダイス1個を振って脱出チェックを行う。
1〜4 …無効
5〜6 …次ターン開始時にステージ3へ移行する
結果が無効だった場合、次回以降の脱出チェックごとに出目に+1を加える。この修正値は累積する。
12.7 ステージ3:キリコ帰還
▷ カン・ユー隊を本拠地に戻す。
▷ このステージに移行した時に、傭兵側はダイス2個を振って出目分のVPを得る。
▷ カン・ユー隊の能力が(12-6)に上昇する。
▷ 傭兵側は、調査フェイズでカン・ユー隊のいるヘックスの調査チェックで表にした敵ユニット1枚につき3VPを得る。
▷ 次ターン開始時にステージ4へ移行する。
12.8 ステージ4:フィアナ観戦
▷ 傭兵側は、調査フェイズでカン・ユー隊のいるヘックスの調査チェックで表にした敵ユニット1枚につき3VPを得る。
▷ カン・ユー隊とブルーATが同じ戦闘に参加した場合、このヘックスの戦闘解決後にビーラー側がダイス1個を振って観戦チェックを行う。尚、カン・ユー隊とブルーAT同時が直接攻撃を行わなくても、同じ戦闘に参加していれば適用する。
ブルーATの攻撃でカン・ユー隊が撃破された場合は+1を加える。ブルーAT以外の攻撃でカン・ユー隊が撃破された場合は適用しない。
ブルーATが撃破された場合は−1を加える。カン・ユー隊以外の攻撃で撃破された場合でも適用する。
0〜5 …直ちにステージ5へ移行する
6 …ビーラー側は3VPを獲得する
7 …直ちにステージ7へ移行する
12.9 ステージ5:キリコ離脱
▷ カン・ユー隊の能力が(11-5)に戻る。
▷ このステージに移行した時に、ブルーATをゲームより除外する。
▷ 次ターン開始時にステージ6へ移行する。
12.10 ステージ6:宮殿潜入
▷ 毎ターン開始時に、ビーラー側がダイス1個を振って、出目が6なら宮殿にストライクドッグを配置する。尚、到着しなかった場合でも、次回判定でのダイス修正は無い。
▷ ストライクドッグ到着前に宮殿で戦闘が発生した場合、各ラウンドの開始時にビーラー側がダイス1個を振って、出目が4〜6なら宮殿にストライクドッグを配置する。到着しなかった場合、次回以降のチェック毎に出目に+1を加える。この修正値は累積する。
▷ ストライクドッグは、宮殿から3ヘックス以内でしか移動、戦闘、後退を行えない。
▷ 宮殿での戦闘でストライクドッグが参加している場合、各ラウンドの終了時に傭兵側がダイス1個を振って、出目が1〜4なら傭兵側は次のラウンドからキリコユニットを戦闘に参加させること(強制)。登場しなかった場合、次回以降のチェック毎に出目に+1を加える。この修正値は累積する。
12.11 ステージ7:プロトワン完成
▷ カン・ユー隊の能力が(11-5)に戻る。
▷ このステージに移行した時に、ビーラー側はダイス2個を振った出目と同数のVPを得る。
▷ 宮殿にプロトワンを配置する。
▷ 次ターン開始時にステージ8に移行する。
12.12 ステージ8:イプシロン覚醒
▷ このステージに移行した時に、宮殿にストライクドッグを配置して、ブルーATをゲームより除外する。
▷ ストライクドッグは、宮殿から3ヘックス以内でしか移動、戦闘、後退を行えない。
13 キリコとイプシロン
13.1 宮殿での戦闘に、ストライクドッグとキリコが参加している場合、ストライクドッグは必ずキリコを攻撃しなければならない。
13.2 キリコがストライクドッグを撃破した場合、キリコをゲームより除外すること。
13.3 ストライクドッグがキリコを撃破した場合、それ以降ストライクドッグは自由に攻撃を行ってよい。尚、キリコはゲームより除外すること。
14 ゲームの終了と勝敗
14.1 終了時期
14.1.1 敵の本拠地を支配した場合は、その戦闘フェイズ終了を以ってゲームは終了する。
14.1.2 8〜11ターンが終了した時、そのターンがメルキア軍総攻撃ターンだった場合、傭兵側が総攻撃ボックスのマーカーを公開して、ゲームは終了する。
14.2 勝利判定
14.2.1 傭兵側は、宮殿を支配した場合、ダイス2個を振って13を加えた分のVPを獲得する。
2D+13=VP
14.2.2 さらに、総攻撃ターンより前に宮殿を支配した場合は、総攻撃ターンから終了ターンを引いた値に7を掛けた分のVPを、追加で獲得する。
〔(総攻撃ターン)−(終了ターン)〕×7=VP
例えば、8ターンに終了して総攻撃ターンが10だった場合、(10−8)×7=14VPを獲得する。
尚、第7ターン以前に終了した場合は、(4.5)の要領で総攻撃ターンを決定して計算すること。
14.2.3 傭兵側は、ステージ3〜8で宮殿を支配した場合、宮殿ヘックスにカン・ユー隊が存在すれば5VPを得る。更に、自軍のATか兵士が存在すれば、1枚につき1VPを得る。ヘリとキリコはVPを得られない。尚、戦闘開始時にカン・ユー隊が存在していれば途中で撃破されても他のユニットのVPは得られる。但し、最初からカン・ユー隊が戦闘に参加していなかった場合は、一切のVPを得られない。
14.2.4 ビーラー側は、メルキア軍の総攻撃によりゲームが終了した場合、宮殿ヘックス及び宮殿の隣接ヘックスにある自軍ATユニット1枚につき1VPを得る。兵士ユニットとPSは対象外とする。無論、傭兵側が宮殿を支配してゲームが終了した場合はVPを得られない。
14.2.5 両軍のVPを比較して、多い方が勝利する。同点の場合は引き分けとする。
15 セットアップ
15.1 傭兵側
1) ヘリ、カン・ユー隊A、キリコの各ユニットを、マップ脇に置いてストックとする。
2) その他のATと兵士を自軍用の増援カップに入れる。
3) 下記内容でユニットを裏で配置する。「ユニット」は、指示された枚数をカップから引くこと。尚、ヘリは表で配置すること。
EX-10……カン・ユー隊、ユニット×7、
ヘリ×2
ザクイ……ユニット×5
EX-9……ユニット×1
4) 残ったヘリを、ストックに置く。
15.2 ビーラー側
1) ストライクドッグとプロトワンは、マップ脇に置いてストックとする。
2) その他のATと兵士を自軍用の増援カップに入れる。
3) 下記内容でユニットを裏で配置する。「ユニット」は、指示された枚数をカップから引くこと。
宮殿…………ブルーAT、ユニット×8
ラモー寺院…ユニット×5
EX-7………ユニット×2
EX-6………ユニット×5
ゾンム村……ユニット×2
15.3 ターンマーカーをターントラックの1に置く。
15.4 フェイズマーカーをフェイズトラックの1に置く。
15.5 ステージマーカーをステージトラックの初期ステージに置く。
15.6 VPマーカーと対応ポイントマーカーを、各プレイヤーのプレイシートの対応するトラックの0に置く。
15.7 各拠点ヘックスの支配状況を確認して支配マーカーを配置する。尚、ヌバ高地は、開始時は中立である。

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