小学校の頃の大好きだった映画は誰がなんと言おうと、グーニーズ!。当時はヘビーローテで見ていたので、台詞の一言一句を覚えていたほどだ。とりわけ洞窟内での冒険シーンが楽しかった。ゴロゴロと転がってくる巨大な岩、神秘的な泉、ウォータースライダーに、底なし沼。キーホイクワンの発明品も楽しかった。
スペイン語しかはなせないハウスキーパーがいたのも楽しかった。大きな冷凍庫、荒野原、ぼこぼこの車。
今日はそんなわたしの大好きなグーニーズの世界を少し感じることのできるすばらしいスポットに足を運びました。Carlesbad Caven(カールスバッド国立鍾乳洞公園)。エルパソから車で3時間ほどの、見事な洞窟なんだそうだ。あらかじめパンフレットや、エルパソに滞在している方々の日記を拝見して予習はしてきたつもり。
高知の鍾乳洞に近いのかなぁなんて思ったり。
週末に行くと確実に多くの人で混雑するので土日をさけた方がいい!ということで、今日は学校をお休みして、StephenとPerla、私の3人で朝から車をすっ飛ばして向かいました。エルパソを抜けると、アメリカ特有の荒れた砂漠地帯が延々とつづきます。この景色にもようやく慣れてきました。ほんと、かなりのスピードですっ飛ばしているんだが、景色はいっこうとして変わりません。この国、本当に大きい!
さて、しばらくして検問所へとたどり着きまして、パスポートを提示。係官が写真と私の顔をまじまじと見比べます。満面の笑みを浮かべて通過。さらにまっすぐまっすぐ、ひたすら走り続けます。
途中、グアダルーペ国立公園のビジターセンターが見えてきたので、小休止。

ここでは、25億年前にできた巨大な古代暗礁を紹介しています。ビジターセンターでは棲息する動物や、地形の解説、そして書籍やお土産の販売コーナーなどもあります。

平日の朝ということもあってか、お客さんは誰一人としていません。そんななか、スタッフのレンジャー達は浮き世から隔離された大自然の中で毎日勤務をしているんだと思うと、涙ぐましいものを感じざるを得ません。
さて、足早にビジターセンターを離れて、引き続きカールスバッドまで車を走らせます。しばらくするとWhite cityという、小さな小さな歓楽街を発見。カールスバッドを訪れる観光客達を相手に、商売をしているようです。そこからさらに車を走らせ、山を登りますと、カールスバッド鍾乳洞公園が見えてきました。
ビジターセンターの駐車場にはすでに沢山の車が!テキサス州から、ネバダ、フロリダなど各地のナンバープレートが目立ちます。車の中でかるくサンドイッチを食べて、チケット売り場まで出向きました。
ここにも沢山の人!春休みの家族連れが沢山です(って、金曜だけどお父さん、お仕事お休みしたのか?)。
チケット6ドルと、アナウンスガイド3ドルを購入。このアナウンスガイド、いろんな言語のタイプに対応しており、洞窟内でのスポットおおよそ50カ所の詳しい解説をしてくれるものです。
休日となるとSold outになることも多く、人気があるのです。初めて訪れる人は、ガイドを持つべき!というStephenの勧めもあり、すかさずget。先に述べておきますが、この音声ガイド、おすすめです。
というのも、解説のナレーターの女性の声とシナリオに情緒があり、なんともドラマチックなのです。
さてさて、ガイドでは3つのルートがあるのですが、私はナチュラルエントランスという、エレベーターを使わないルートで行くことに。

螺旋状のスロープをおりると徐々に暗くなっていきます。まるでヤンシュワンクマイエルの映画の世界。あるいはE.A.ポーの小説にも出てきそうなグロテスクな雰囲気。

洞窟の天井には何万匹ものコウモリが棲息、夜行動物の彼らにカメラのフラッシュは禁物です。
そして、外界からの日光がまったく入らない、トワイライトゾーンに。ここからは本当にダークな世界です。

しばらくすると、目もようやく慣れてきます。ところどころに水をたたえたプールや立派な鍾乳石が。
自然の神秘が生み出した、美しい景色です。
さて、この鍾乳洞発見のいきさつですが、音声ガイドによると、100年以上前、当時16歳だったジムホワイト君というカウボーイによるものだそうです。ジム君はきのこ雲が近くに漂っているのを見て、その先をたどったところ、洞穴を発見。キノコ雲だと思っていた固まりはなんとコウモリの大群だったんだそうな。果敢な彼は、自作のハシゴとタイマツの明かりだけを頼りに、好奇心と勇気をもって、洞窟内の探検を始めたのです。そして、この洞窟が世界的にも最大級のものであることを発見。「風のあるところ通路あり」という探検家の通説にもとづき、徐々にその範囲の大きさを知ることとなったのです。
現代の私たちは、アスファルトで舗装され、ライトアップされた安全な歩道を歩いて楽しんでいます。しかし明かりも歩道も、何も無かった当時のことを考えると、彼の勇気はすごいなぁと感心してしまうばかり。
科学者によると、この地帯は何億年も前、海だったそうです。その海洋生物達の死骸が浅瀬を作り、化学反応を起こして、やがて石灰岩を形成。その後、地下からのガスにより、空洞が形成されて洞窟ができたんだそうです。
途中、このような大きな鍾乳石のオンパレード。

そしてこの鍾乳洞のもっともハイライトというべきBIG ROOMに到着したところで、私のカメラの電池が切れてしまいました(ほんまアホ)。本当に美しい。まるで「風の谷のナウシカ」に出てくる死海によく似た雰囲気です。

パンフレットをみて予習したときに想像していたものよりもはるかに立派で、美しくて神秘的な雰囲気の鍾乳洞!現在では世界遺産にも登録されているのだそうで、それも納得です。
この水は8ヶ月近くもかけて地上からつたってきます。

複雑な自然の営みでもって、何億年もの歳月をかけて作り上げられた鍾乳洞。この泉にコインなどを投げ込むことは禁止されています。興味本位で岩を触ったりするのも禁止。コインなどの金属による科学変化、そして人の手から出る皮脂や、衣服のこすれから出てくる些細な繊維も、この長い営みに変化をもたらせてしまうのです。この美しい鍾乳洞をさらに、未来に伝えていくためにも文字通り「世界遺産」として、世界中の人たちの強い理解が無いとならないのです。
さて、科学者によると、全く日光のとどかないこの鍾乳洞の中にも、鍾乳石や岩を食料として生きている微生物の存在を発見できたようです。火星の生物存在の可能性や、抗がん物質などの開発など、最先端の科学研究の一端も担っています。
あぁ、ほんとすごかったです!これが映画のロケやセットならともかく、自然が生み出した神秘の美しさだとおもうと、こんどは宇宙や天文的なことが気になってきました。(ブラ☆ちゃんよぉ、コスモ話したいなぁ。ぜひとも足を運んでみて!いや、モジャ☆部のみんなで行こう!
おおよそ3時間かけて鍾乳洞内を散策。帰りは800フィート(230m)地下から高速で上昇するエレベータに乗って、地上へ。今度くるときは三脚と、一眼レフと、あたる父ちゃんを連れて行こう!

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