5th dimentionのアクエリアスを初めて聞いたのは小学生の頃だった。
当時我が家にはLPがあって、映画音楽のコンピレーションのレコードの一発目にアクエリアスがはいってて、あのワクワクするイントロに、スリリングな展開のメロディーとハーモニーにノックアウトされまくっていた。
のちに、合衆国への興味のきっかけになったと言っても過言でない名作、映画フォレストガンプを見たわたしは、映画の1シーンでそれが流れて、とにかくサントラをオタクなほど聞きこんだ。
のちに、このアクエリアスがミュージカル『Hair』のオープニングソングである事を知り、ビデオをレンタルして映画版をみてみたのだが、当時の私には到底理解の出来ないサイケでヒッピーでイッちゃっている内容だった。いまとなっては、ベトナム戦争当時の頽廃していったアメリカ文化、ドラッグやサイケデリック、フリーセックスにフラワーチルレンなどの意義を掴む事が出来る。
セントラルパークの中にあるデラコルテシアターでは毎年夏のシーズンになると屋外でミュージカルを無料で公演している。ただしチケットは当日の朝行列を作って待って、20時からの公演だ。ちょっとお散歩でもとおもい、ぷらっと立ち寄ってチケットを運良くゲットした私は、こちらでともだちになった女優のともちゃんと一緒にみることに。
20時になるとあたりは暗くなり、舞台はなんとも幻想的な光に照らされる。しょっぱなから、ヒッピースタイルにボヘミアンなキャスト達が総勢で狂ったように踊る。
これは我が愛部長やとなりに住むmasaちゃんにぜひみせてあげたいなぁ、とつくづく感じる。
ストーリーラインはあらかじめ知っていたのでなんとも楽しめたが、オリジナルのミュージカル版では一幕目のラストにキャスト全員が全裸になってうたうというくだりがある。これを見た瞬間、センシティブなわたしの心がバリンと破裂した(笑)。
2幕目からはマリファナやLSDで浮遊する様が描かれており、観客席の中に「その感覚に憶えアリ!」的な人達はふらふらと揺れて行った。
ちなみに楽曲はサイケデリックロックな、またファンクな要素もあり、モジャ☆インナーライスフィールド直球なかんじでした。
ラストは観客達もステージに上がって『Let the sunshine in!』と一緒にうたいあげる。
舞台がはねた後、ともちゃんの大好きなカフェにつれていってもらった。
84丁目にあるEdger's Cafe。文豪エドガーアランポーが住んでいたビルの1Fにあるそのおしゃれなお店では、アメリカンおかわりOK、ケーキもおいしいし、語らうのにとても心地よい。
帰り際に店内からドビュッシーの『月の光』がながれてきた。
秋の夜空の下、ともちゃんとカラカラわらってバスに乗ってトキワ荘にかえったのでした。

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