11月に本(『5分でできるド定番モノマネ100』小学館)を出した。執筆中ずっとストレスで歯を食いしばっていたせいか、左上の奥歯がボロボロになり、とうとう歯医者に通うことになった。
余輩の
愁訴:《左上
大臼歯なんですが、詰め物がとれて欠けてきたところが、
抜髄したはずなのに冷たい物や熱い物がしみるんです。今朝からは
自発痛もあるんです。》
妙に素人離れした、我ながら嫌な
愁訴である。
ところがこの左上の
大臼歯、昔治療したところではなくて、その隣にでかい穴が開いているんだそうだ。つまり新規の
齲蝕っつーか
歯髄炎だったのだ。
で、麻酔をかけ(
塩酸リドカインを堅い歯茎にガッツリ注射する、あの痛いやつである。さすが
鋼鉄の啓蒙主義者も自分の
しゅごキャラの
鹿島・香取両大明神と岩鹿六雁命に祈った)、
抜髄。
すると下記のような驚くべきことが起こった。
ドリルと
ドレーン(この歯科では
バキュームと呼ぶ。近所の別の総合病院では
サクションと呼ぶ。別物なのかもしれないが、同じ物に見える)で
口腔が塞がっていたので、余輩は当然にも鼻で呼吸しようとした。
が、できないのだ。
なんと、バカなことに余輩は、ドリルと
サクションを避けようとするあまり
舌根を
リトラクト(笑)しすぎて、しわ寄せを食らった
口蓋垂までが
咽頭壁側に寄ってくっついてしまい、
鼻腔から
気道への
吸気の入り口を塞いでしまっていたのだ。
しからばやっぱしクチで−
急いで口で吸え、・・・と思ったら、なんと、それもできないのだ。
削った歯の破片を
サクションしやすいようにか、ドリルの摩擦熱を冷却するためなのか、このドリルは常時水を出しているのであるが、この水なるものが、
リトラクトされた
舌根とあいまって
口腔をぴっちりと密閉していたのだ。
それゆえ、
吸気はまったく
気道に行かない。
これはヤバイ。余輩は人知れず悶えた。
スヌーピーなら"Aak! Choke!!"っていうような状態である。
治療がひとまず終わったとき、余輩は、『絶対可憐チルドレン』(だっけか)に出てくるような、
ムリヤリ女装させられた少年のように
涙目になっていた。
それはそれとして、本項は
上記の著書で完全に封印されていた専門用語を思うさま使っているため、書いていて非常に気持ちがよかった。ざまあみろ。

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