北朝鮮の水爆実験ですか?結論から言うと、「大丈夫です」。
(1)これは使うための兵器ではなくて、脅して(困らせて)譲歩を勝ち取るための、よく言えば戦略的兵器、悪く言えば
構ってちゃん兵器(泣く子は餅を一つ余計にもらえるという、その「泣き」)なので、
恐れなければ無いのと一緒です。
渡辺芳則・山口組五代目(故人)は溝口敦のインタビューに答えて「暴力の
イメージ」を維持することが肝心だと言ってました(『山口組経営学』)。
これ、重要なことで、物理的な力があっても、
恐れてもらえないと商売にならないんですね…。
(2)これは日本向けというよりアメリカへのアピールなので、アメリカが落ち着いてれば効果はないです。
アメリカと対等の立場になれれば、南側はもちろんのこと、「
日本よりも上」になれるわけです。
「今はアメリカの子分である日帝」よりも偉い
アメリカと直接話がつけられるワシって日帝よりも格上、と。
これ、
事大主義でしょ。そして、やっぱり「日本と比べて自分がどうか」を気にせずにいられないわけでしょ。「日本よりも道徳的に優位の自分は日本よりも上の扱いであるべき」。この発想、朝鮮人ならではです。
(3)モノが本当に水爆ならば、それは
中共を無駄に刺激することになり、その後始末に追われていてくれれば、その時間とエネルギーの浪費は当方の国益になります。
中共にとって単に理屈の上での軍事的脅威であるだけではなくて、これ、「自分たちが過去にやってきたことのおかげで今ここにこうしてある」ということへの、まさに
当てつけであり
ブーメランになっているのでイライラするのです。
毛沢東にとって水爆実験は、ソ連の核戦略システムからの離脱であり、自立の象徴だったのです。
つまりは、スターリン後の集団指導体制は毛にとって共産主義の総本山として師事するに足りない若造集団だったのであり、それからの独立を象徴するのが「自前の核戦略」なわけです。
ところがそれを今北朝鮮にやられて、「おとなしく俺たちの傘下にいろ」と言うのにはいささか忸怩たるものがあって気持ちが悪いわけです。もっとも、朝鮮は所詮格下の衛星国なんであって、「生意気な奴」って事の方が大きいのでしょうけどね。
ところで−
中国が水爆実験を行った当時(ジョンソン大統領の時代)の駐米日本大使(鯨岡兵輔だっけ?)は、わざわざ声明を出して、「核不拡散条約における日本の立場に変更はありません」ですと。
今から思うと奇異の念すらおこりますが、当時はまだいたってことですね、「日本がこれに反応して、自衛のために自分も核武装するとか言い出さないか」と
心配する人が、米国内には…。
しかし、まあ、日本は英国(米国にとって「祖先(白人)の多くがそこから来た」「同じ言葉を共有する」「二度戦争もしたけど世界大戦では二度とも味方で」「戦勝国」)とは立場を大きく異にするので、信頼感とコミュニケーションの深さが違っていて、英国の核武装(米国の核戦略システムの完全な傘下)はありえても、日本の核武装を米国が許容するわけは無かったんでしょうけどね。
また、同じ冷戦下でも、英国にとっての脅威は貧しい中共ではなくて、大国のソ連だったということも違いでしょう。
再度結論を申し上げますと、北朝鮮水爆実験については「
我々(民主国家の有権者)は」そんなに騒がなくていいです。
オタオタしては絶対にいけません。
怒(ってみせ)るべきなのは政治家の方です。
首相と政府はもちろん、「かんかんに怒ってる」ってことを
さきさまによく解るように伝えてください。
北朝鮮って、あの人ら、結局は、「どっちが格上か」「どっちが強いか」「損か得か」しか理解できない人たちなので。
でもあれか、「お、日本こんなに怒ってる。つまりこんなに気にしてる。てことはこんなに効いてる!
やったー(優香の声で)!!」…って勘違いしちゃうかw
ま、いいや、勘違いするとしたら、それっていうのは情勢を正しく判断できてないってことなので、
下手に「正しく」理解されるよりも日本の利益になるんじゃないのw

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