2015/6/26

鳥屋と魚屋  episode
川や海など水辺に鳥を見に行くと、時々釣り人に遭遇します。私たち「鳥屋」は、こういう「魚屋」に警戒心を抱いています。
魚屋さんが水辺に入ると鳥が逃げるという単純な理由のほかに、放置された釣り糸や釣り針が水鳥にからんでケガをしたり命を落としたりするからです。
中には、魚屋から鳥屋に転身した人もいますし、鳥屋兼魚屋という人もいます。最も有名な鳥屋兼魚屋は、イギリスのエドワード・グレイ卿。
第1次世界大戦当時の外務大臣であると同時に釣り人で、その趣味が高じて『フライ・フィッシング』という本を著しています。その一方、鳥類学者でもあり、オックスフォード大学に「エドワード・グレイ野外鳥類研究所」を開設しています。

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    エドワード・グレイ卿(画像はパブリック・ドメイン)

その著書『フライ・フィッシング』の日本版の前書きで、小説屋兼魚屋の開高健が次のようなエピソードを紹介しています。

六月の某日、アメリカ大統領を引退したセオドァ・ルーズヴェルトはアフリカ旅行のあとでイギリスにやってきて、外務大臣のグレイ卿とひそかに駅で落ち合い、約二十時間、二人でぶらぶらとイッチェン川のほとりを散歩したり、休憩したりした。二人は四十種ほどの野鳥を眺め、二十種ほどの声を聞いてたのしんだ。グレイ卿はルーズヴェルトが知らない鳥の声をたずねるといちいち教えてやったけれど、ルーズヴェルトは一度聞いたら二度と過つことがなく、鳥それぞれの声にあわせて詩を引用してみせたが、その知識の博大さと感性の鋭さに卿はすっかり感服した。しかし、ルーズヴェルトはルーズヴェルトでグレイ卿にある自身とおなじ稟質(ひんしつ)にいたく感銘するところがあった。

ここに出てくるセオドア・ルーズベルト(米国第26代大統領)は熱心なバードウォッチャーで、アマチュア鳥類学者として本も出版しています。その影響を受けた従弟のフランクリン・ルーズベルト(第32代大統領)も熱心なバードウォッチャーでした。
それはともかく、エドワード・グレイ卿のような「鳥屋兼魚屋」という人はけっこう多いんでしょうね。



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