「日韓両生類市民シンポジウム韓国編1・Korea-Japan International symposium and fieldwork Part 1」
国際交流 International exchange
今年の3月に韓国で両生類の保全活動をしている団体のメンバーが来日し、国際シンポジウムの開催とフィールドの視察を行なったのは記憶に新しいかと思います。
両生類保全についての日韓交流の窓口となっているyamakajiに、今度は韓国でのシンポジウムと交流を行ないたいとオファーがあったのは4月の下旬。その後の進展がないので立ち消えかと思っていたら、5月の後半になってバタバタと日程や参加者の調整が始まり、韓国流の変更につぐ変更に振り回されつつ、開催まで一か月を切った頃にようやく日程とメンバーが決まって、6月21日〜24日に訪韓してきました。ソウルに到着した午後には即シンポというハードスケジュールでした。
「両生類絶滅危惧種指定と保全対策に備えるための韓日国際シンポジウム」
●目的 韓国と日本の絶滅危惧両生類の指定過程と保存方法を通じて両国の両生類保護のために連携して活動していく。
●日時 2012年 6月 21日 (木) 午後 2時−5時
●主催 韓国両生類爬虫類保存ネットワーク・(社)ヒキガエルの友達・グリーンコリア
●後援 韓国国立生物資源館
プログラム
○第1部 韓国と日本の絶滅危機両生類指定現況
●日本の両生類の現況と絶滅危惧種紹介および指定方法 川上洋一(トウキョウサンショウウオ研究会)
●韓国の両生類の現況と絶滅危惧種紹介および指定方法 ソン・サンホ(韓国両生爬虫類ネットワーク)
○第2部 韓日民間団体の両生類保全活動の事例発表
●日本自然保護協会モニタリング1000の活動事例 久保廣晃(山崎谷戸の会)
●青梅市における両生類モニタリングと里山保全 御手洗望(青梅自然誌研究グループ)
●テジョン地域のジムグリガエル保全活動 コ・ジヒョン(忠南グリーンコリア)
●ソウル地域の両生類保全活動 パク・ジェソン(生態保全市民の会)
●釜山地域の両生類保全活動 イ・ヨンチョン(社「生命の綱」)
今回のシンポジウム参加者は約30名。保全活動家ばかりでなく政府機関や研究者も集まり、事例紹介ばかりではなく長期的な両生類の保全について本格的に議論する場のようでした。画像は座長で韓国両生類保全ネットワークのヨ・チング共同代表。
画像は左奥から国立生物資源館のハン・サンホン動物部長、手前左は両生類の図鑑なども出している研究者のソン・サンホ「ムルサリ(水の勢い)」所長。続いてイ・ヨンチョンさんと、日本にも来られたコ・ジヒョンさん。
発表する御手洗さんの奥には、日本のフィールドでもエネルギッシュに活動していたキム・ヒョンテさんの顔も見えます。
発表によれば、韓国では大規模な開発がまだ盛んに行なわれて生息地が破壊されている一方で、法による両生類や湿地の保護も進みつつあり、政府による環境教育も行なわれているなど、保全への意識は高まりつつあるようでした。運動の方法論も、取りあえずやれることは何でもやってみるというエネルギーを感じました。
今後の課題については、とにかくデータもモニターも研究者も足りないし、より有効な調査法の開発が求められるなど、抱えているものは日韓ともに共通といえるでしょう。
それぞれの種類や生息地についての実態は引き続き報告します。
(Photo and Report by yamakaji)
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