「2012年横沢入の学べるニュウス10その1・10 important news of Yokosawairi on 2012 part 1」
学べるニュウス news commentary
「さて、いよいよ今年も押し迫って参りました。そこで今回は学べるニュウス特別編として、今年一年に横沢入でおきた出来事を振り返ってみたいと思います。」
「でも先生、今年のブログ記事をみんなチェックしてくんですか」
「え〜、それってたいへ〜ん」
「そうですね。ですがここで役に立つのが生物部会と
掲示板の存在なんです。皆さんはこのブログに掲示板があるのはご存じですよね。」
「あれって酔っぱらいの写真ばっかりUPされているんじゃないですか」
「鋭い指摘ですねー。もちろんそうした一面もありますが、この掲示板は情報源として大変重要な存在なんです。今回もこの掲示板に生物部会のメンバーから、今年どんなニュウスに注目すべきかというご意見が寄せられていたんですね。」
「へぇ〜、掲示板すご〜い」
「皆さんもぜひ一度のぞいて見てください。
それではまず最初のニュウスから解説して行きましょうか。」
「トウキョウサンショウウオと言えば、横沢入のシンボルとも考えられている生きものであることは皆さんご存じですよね。ところが毎年調べてきた卵のうの数が、今年は7年ぶりに500個を割ってしまったため、ショックを受けている人が大勢いるようです。」
「もともとどれくらいいたのか分からないと深刻さがピンと来ないんですけど…」
「いい質問ですねー。最近公表された
トウキョウサンショウウオ研究会のデータによると、東京都全体で約9000個の卵のうが見つかっています。横沢入では2009年には約800個の卵のうが確認されていますから…」
「えらい集中してるやないですか!」
「そうなんです。ここは東京都内でも指折りのトウキョウサンショウウオの生息地だったんですね。それが2010年に突然30%も少なくなって、それからもじりじり減っていることがデータからも分かっています。皆さん、2010年の春にどんな出来事があったかご記憶でしょうか?。」
「えーっと…あっ!アライグマや!」
「さすが、よく覚えてますね。
こちらの過去ログをご覧ください。2010年の2月にアライグマが犯人と見られるアカガエル類の大量食害事件が発生しているんですね。同じような場所に産卵にやって来るトウキョウサンショウウオも、当然その被害を受けていることはお分かりいただけるでしょうか。」
「やだー、アライグマむかつく〜」
「何とかならないんですかね、アライグマを捕まえちゃうとか。」
「いい質問ですねー。そのあたりは次のニュウスで解説を続けましょう。」
「まず、
こちらの過去ログをご覧下さい。実は西多摩自然フォーラムでは、2010年にいち早く被害を見つけて、他の団体にも呼びかけて都やあきる野市に捕獲などの対策を求めていたんですね。」
「へぇ〜、フォーラムすご〜い。」
「でも結局は減っちゃったんですよね…」
「おっ、いいところに気がつきましたね。それではなぜトウキョウサンショウウオが減り続けるのか考えてみましょう。トウキョウサンショウウオは卵から大人になるまで、つまり繁殖できるようになるまでに4〜5年もかかります。ですから親が食べられて減ってしまうと、元にもどるまでには長い時間がかかるわけです。もう一つの理由は、お役所のアライグマ対策に問題があったようですね」
「出た〜っ!お役所仕事や!」
「もちろん、お役所の人もサボっていたわけではないと思いますが、こうした食害の対策は早い時期に徹底して行なうことが肝腎でなんですね。しかし被害が出てから実際に捕獲を始めるまでに時間がかかったため、その間に多くのサンショウウオが食べられてしまったようです。」
「もう〜、さっさとやって下さい、なんだったら手伝いますから〜」
「そうですよねぇ、そう思っている人も大勢いるでしょうね。日本には鳥獣法という法律がありますから、狩猟免許がない人が勝手にアライグマを捕ると違反になります。しかし実は横沢入では、市民ボランティアも参加するような形でアライグマ対策のシステムを作ろうという試行錯誤が続いているんですよ。すでに何頭も捕獲して成果も上がっているようですし、このシステムがうまく働くようになれば、各地で起きているアライグマ被害の対策にも役立つと思うので、大いに期待したいですね。」
「それでは次のニュウスです」
「さて、アライグマのように、もともと横沢入に住んでいなかったのに、新たに侵入してきた生き物は「移入種」とか「外来種」と呼ばれているのはご存じですよね。実は横沢入への移入種はアライグマだけではなく、新しい種類も続々と見つかっているんです」
「ウソ〜、そんなに沢山いるんだ〜」
「まず、
こちらのカテゴリーをご覧になってください。注目されている種類だけでも、昆虫のアカボシゴマダラ、魚のアブラハヤ、鳥のガビチョウなどがあげられていますね。今年の10月には、新たにリュウキュウベニイトトンボが見つかったのをご記憶の人も多いんじゃないでしょうか。」
「こいつらもアライグマみたいな悪さをするんですか」
「いい質問ですねー。移入種と言っても、日本にもともといた「在来種」に影響を与えていないと考えられる種類もいるのは確かです。ですがここは重要なのでぜひ覚えて帰ってもらいたいんですが、実際に被害が出た時には、すでに手をつけられない状態になってしまっている例も少なくないんですね。横沢入のリュウキュウベニイトトンボの場合も、すぐに捕獲駆除されましたが、他の場所で在来種に悪影響を与えていることを考えると、決して過剰防衛だとは言えないんですよ。」
「これからも生きものの動向を見守って行く必要があるってことですかね」
「さすが、うまくまとめていただきましたね。では次回も2012年横沢入の学べるニュウスをお楽しみに。イケガミアキラではありませんでした。」
つづく
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