先日の生物部会定例調査で見つかったルリボシカミキリは、他に類を見ない鮮やかな体色から「日本最美のカミキリ」と呼ばれることもあるほどです。かつては山地の広葉樹林でしか見られなかったこともあって、憧れの虫の一つとしていた昆虫少年も少なくありません。ところが近年になって東京近郊のあちこちの里山でも見かけるようになってきました。(P.Delias)
横沢入で見つかったのは、伐採したヤナギを短く切って山積みにしてある場所(自分で探して下さい)。こうした木にカミキリムシが交尾や産卵のために集まってくることは愛好家の間でよく知られており、農家のまわりに積み上げられた薪や伐採地、貯木場などは、観察・採集には見逃せないポイントです。
もちろんカミキリムシたちは人が木を伐採してくれるのを頼りにしている訳ではありません。自然界では枯れ木や倒木に産卵し、幼虫はこれらを食べて土に返す分解者の役割を担っています。本来なら木の伐採は、薪や炭、木材などに使用することを目的に行われるもので、カミキリムシたちが卵を産みつけたとしても、いずれ燃やされてしまったり、乾燥して死んでしまうのは当然でしょう。
ルリボシカミキリが見つかった山積みのヤナギの材は、春先に伐採しそのまま放ったらかしにされていたものです。このままでは腐ってしまって薪にも炭にも使えないものの、カミキリムシたちは大喜びかも知れません。そういえば横沢入のあちこちには伐採された木がゴロゴロしています。しかし「なるほど、カミキリムシたちへの気配りか」と思ったらとんだ早合点。実際には片づけたくても片づけられないのが実情なのです。その最も大きな障害となっているのは、「横沢入里山保全地域」の管理責任者である東京都環境局の、およそ里山の管理運営とはかけ離れたセンスと姿勢にあります。
このへんの経緯は「西多摩自然フォーラムニュウス」の最新号(No.121)でも詳しく解説してありますが
(購読希望者はこちら)、横沢入の自然も決して将来が保証されたものではありません。こうした問題をこのブログでもこれから追々紹介していきたいと思います。
こうした問題を広くアピールするためには、ブログランキングで注目されることも一つの方法です。毎日一度「拍手」の方ではなく「ブログランキングのアイコン」をクリックして下さい→