カフェの常連さんには、一人で来てくれる人も多い。
セントウさんもそうだ。たまにお友達と一緒のこともあるが、ほとんどはお一人様だ。仕事の途中で来てくれるらしい。仕事場もおうちもウチからはかなり遠いのにわざわざ来てくれる。本当にありがたいことだ。
最初からセントウさんは目立っていた。
キャリア系のおねえさんなのだが、サバサバというかバサバサしていた。
一言でいうなら堂々としている。
この堂々としているというのは、セントウさんというあだ名にも通じる。なぜ彼女はセントウさんと呼ばれるようになったのか。
以前ウチのスタッフだったコジマさんがとあるスーパー銭湯に行った時のことだ。駐車場で、ウチにたまに来てくれるお客さんを見かけたらしい。
ウチからは名古屋市を横断するくらい遠いところだ。
「一人だったんですよぅ」
コジマさんはそう私に報告した。確かに、若い女子が一人でスーパー銭湯に行くのは、かなりめずらしいかもしれない。
その後また、コジマさんから目撃談がもたらされた。
また同じスーパー銭湯からだった。今回は入浴していたらしい。
銭湯に行っているんだから当たり前じゃん。
「それがー!お風呂に入ってたんですよぅ」
そら入るやろ。風呂に入りに来てるんだもん。
「・・・頭に、タオルたたんで乗せてたんですよぅ」
え?頭にタオル?波平さんみたいに?
「そーですよぉ!それも一人で」
・・・さすがだ!ここまでできる女子はそうそういない。彼女はどこでも堂々としているのだ。
というワケで彼女は「セントウさん」となった。
そうとは知らなかった雑貨チームはセントウさんあてにDMを出す時、『仙頭さん』で探していたらしいが大間違いだ。
あだ名であるだけじゃなく、漢字なら『銭湯さん』だ。
まあ、まさか自分がこんなビバノンノンな名前で呼ばれているとは思いもしないだろうなあ。

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