お正月休みでグダグダしている。日頃ゆっくりできる休みが少ないので、この時とばかりグダグダゴロゴロしまくっている。
グダグダの幸せは満喫したので、元日は実家に帰ることにした。
子供の頃私はお雑煮というものを知らなかった。
オヤジがお雑煮嫌いだったのだ。我が家の餅といえば、いつもあべかわ餅オンリーだった。季節感0である。
がしかし、私はオカンがこっそりお雑煮を食べている現場を見た事がある。そのお雑煮たるや・・。
レンジでプワーッとさせた餅をお椀に入れ、その上にとろろ昆布をのせ、化学調味料とお醤油を入れ、お湯をかける。
こんなに質素なお雑煮をみなさん、他に知っているだろうか?
実家に向かう車中で姉がボソッと言った。
「お煮しめの覚悟、できてる?」
お煮しめ。
人参・牛蒡・里芋・じゃがいも・厚揚げ・昆布などなどを煮干しのおだしで煮込んだものだ。
うちのお正月料理の定番である。
「・・うん。タッパーもあるし」
「・・オッケ」
玄関を開けると実家のニオイがする。その中にまじってまぎれもなく、お煮しめのニオイ。
キッチンをのぞくと、それはあった。
なぜ、この人数でその量なのだ。
石原軍団の炊き出しか!私は舘ひろしか!
と、毎年のことながら思う。オカンにも言っているのだが、毎年この大鍋の登場となる。
今年も、きなこたっぷりの餅とお煮しめとなますで元日の食卓を囲んだ。
そしてタッパーにもたっぷりお煮しめが詰め込まれた。しばらくお煮しめづけの毎日だ。
まあいいや、ヘルシーだしな。
オカンありがとう。今年もよろしく。でもせめて来年はカレー用の鍋にして下さい。

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