ここで何度も言っているが、私は基本的に気が小さい。
どうも「いっちゃえいっちゃえ!」系の人だと思われているようであるが、それはある程度のラインを超えたら、の場合だけで、ほとんどの場合はきっちり下準備をせずにはいられない。
旅行などがその顕著なもので、日程が決まるとすぐ滞在地の資料を集め、行きたい店・見たい場所などの計画をたてる。現地に着いて、時間がムダになるのがイヤなのだ。「どうする〜」などと迷って同行者の中で空気がよどんだらどうしよう…と心配になってしまうのだ。
そんな気の小ささがドカーン!と現れてしまうのが、皆さんご存知の車の運転だ。
最近は70キロ出してもビビらなくなったし、片手で運転もできるようになった。
でもどーーしても慣れないのが、ガソリンスタンドだ。
セルフに行けば他人に気を使わなくていいわけだが、一度、静電気からガゾリンに引火してボボボボッと燃える人のビデオを見たことがあるのだ。
そんな恐ろしいとこに行けるか!
私が唯一行けるスタンドは近所にある。働き者のおじさんとそーでもないおじさんの二人でやっている。本当にあっさりしたスタンドで凝ったサービスも何もない。でもとにかく安い。セルフ並みなのだ。
働き者のおじさんは、ひとりで4台くらいは一度にさばく。ついでに灯油なんかもやったりするし、洗車機に車を突っ込んだりもしている。
私はいつも、そーでもない方のおじさんが店番していてほしいと祈っているのだが、たいてい働き者の方がいる。
テキパキしてていいじゃないか、と思われるだろうが、気の小さい私はプチパニックになってしまうのだった。
「オーライオーライ、ハイ今日はどーする?満タン?」
そう言われても、窓を開ける前にエンジンを止めちゃったりして声が聞こえない。
アワアワしながらドアごと開けて「ま、満タンですぅ」と言うのだが、その時にはおじさんは「ハイ開けてね〜」と給油口のところに立っているのだ。
アワアワの上にオタオタしてしまうので、ここでいつも間違えてしまう。
給油口のスイッチではなく、隣のボンネットのスイッチを引っ張ってしまうのだ。
ガン。「……あ!」
「はーい、後ろ開けてね〜」
おじさんは何事もなかったように前にまわり、ボンネットをバン!と閉めながら言う。
「ハ,ハ、ハイ…」
今日もまたボンネットが開いてしまった。
何回給油すれば、最初から給油口だけが開けれるようになるのだろう。
自動車学校で高速教習・カーナビ教習があるのなら、スタンド教習があってもいいのではないだろうか。
オプションでもいい、と思うのだが。

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