さあ,いっしょにサラダをつくろう

2004/10/28

■日常か,現実か,  ▼映画がすき

 先日、今秋公開の映画『モーターサイクル・ダイアリーズ』を観た。私の好きな映画批評のHP「★前田有一の超映画批評★」の紹介文からストーリの概要を引用してみる。
「キューバの革命家チェ・ゲバラの若き日の南米縦断の旅を描いたロード・ムービー。(中略)1952年、アルゼンチンの青年医師アルベルトは、親友の医学生エルネスト・ゲバラを南米縦断の旅へ誘う。最終目的地のアマゾン・ハンセン病施設を目指し、わずかな荷物と一台の中古バイク二人で、彼らは貧乏旅行をはじめる。(中略)ゲバラを描いた映画ながら、このあたりの構成は普通の青春映画としても楽しむことができる。」

 以前の記事で『精神状態』をキーワードに映画を自分勝手にCategorizeしてみた。が、これ以外のCategorizeの仕方もいろいろとある。その一つ、「日常生活現実とどれだけシンクロするか」という分け方をしてみたい。
1)完全なる非日常・非現実の世界
2)非日常ではあるが現実性のある世界
3)日常的ではあるが現実性のない世界
4)日常的でありかつ現実性のある世界

まあ、とても単純短絡なCategorizeだ。このCategorizeの場合は、個々人の置かれている環境や思考に応じてかなり個人差があるのが前提となる。私の場合であれば「日本国籍,27歳,女性,21世紀の日本で生活」という環境などにより、それが「日常的か否か,現実的か否か」が決定される。

 では、『モーターサイクル・ダイアリーズ』はどうか。私の場合は上記Categorizeの2番目「非日常ではあるが現実性のある世界」であった。

 この日、映画館は比較的空いていた。だが、座る位置が悪かった。私の斜め後ろには、恐らく祖父と孫と思われる2人連れが座っていた。この孫と思われる10歳くらいの男の子がとてもうるさい。映画の最中ずーっとしゃべっている。「あ,バイクころんじゃったね」「あの人どうして泣いてるの?」など、普通の声の大きさで和気藹々と連れの初老男性に話しかける。初老男性も恐らく映画館に来る経験が少ない方なのであろう、「あの人は病気なんだよ」「観てごらん建物がきれいだろう」などとこれまた普通の声のトーンで返すのだ。私は映画鑑賞中の私語には敏感な人間であり、どちらかというと”邪魔されずゆっくりCINEMA-WORLDに浸りたい”タイプなので非常に腹が立った。2回「シーッ」と後ろを振り返り注意を促した。それでも改善されないので、1度振り向いてシートを手でバシッとたたき「うるさい」と普通の声の大きさで注意した。しかし、私語は一向に止む気配を見せない。

 「うるさい」と注意した瞬間が怒りのピーク地点だったわけだが、その後なぜか憤りは下降していく。後方のとめどない「いたって日常的な会話」を耳にしながら、前方スクリーンに映し出される「非日常的な50年代キューバの情景」を眺めていると、次第に不思議な感覚になっていく。そしてちょっと考え込み体勢に入る。このとき私がいるのは、先進国日本の商業化マニュアル化された施設”映画館”だ。映画を鑑賞するための近代的な設備環境の中で、つまり”用意され整えられた環境”の中で映画を観ている。この”場”では、他者の私語によって自分の静かな映画鑑賞が妨げられる状況は”ふさわしくない事態”とされる。では、これが例えば文化振興を目的とした無料映画で、会場が子ども連れや映画未経験者などでザワザワとゴッタ返していたらどうか。この場合は、後方の2人がうるさいなどといった怒りは感じないかもしれない。こう考えると、私が斜め後ろの観客に感じた”怒り”は、与えられた環境のもたらす産物にすぎない、といえるのではないか(しかし,この”怒り”が不当か否かは別問題)。

 さて、こんなことをモヤモヤと考えながら映画を観終わったわけだが、私の感想は「この映画を観てよかったな」である。『モーターサイクル・ダイアリーズ』はそういう映画だった。「日常」に引き戻され、「日常」を意識せざるを得なくとも、つまり”作品世界に浸りきった陶酔感”に酔えなくとも、感動できる作品だったのだ。不思議な映画だ。「日常」に引き戻された瞬間色あせる映画が多くある中、この作品は「日常」にありながら映画のもつ”非日常的な輝き”を楽しむことができる。それは、この作品のもつ「現実性=Reality」に依拠するのではないかと思うのだ。作品には、これ見よがしな「思想」「社会派」「テーマ性」という煙ったさはほとんどなく、先に紹介した前田有一さんの作品紹介文にもあるように「普通の青春映画」のもつ爽やかさが漂っている。しかし、娯楽の要素を持ちつつも、この作品には「真理の探求」と「人間の葛藤」という普遍的命題が存在している。そしてその命題は机上の空論としてではなく、いたって”日常的な場”にある人間の心を力強く打つ現実性をもって息づいているのだ。

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☆ついに札幌に初雪到来.寂しいような,ワクワクするような・・・.
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2004/10/30  1:11

投稿者:sadko

れっどさん>
う〜ん、一度言いかけた台詞を引っ込められるとどうしても続きが気になる!!!!というのが人間の悲しい性です。というわけですごい気になります。

ゲバラですか〜〜。まあこの映画では「いたって爽やかな医学生」なので、私は”この俳優カッコいい!”という感想でしたね〜(おいおい)☆

2004/10/30  0:59

投稿者:れっど

電車男・・・。
なんか凄い人気らしいですね。(^^;)
しかし・・・。って止めとこ。

「モータサイクルダイアリーズ」、自分も見たいなぁって思ってます。
最初はバイクは最初の方だけしか出てないって事だったんで「ま、いっか」とか思ってたんだけど、チェ・ゲバラ自体にちょっと興味出てきたので。(^^;)


http://moonlightrun.way-nifty.com/moonlight_run/

2004/10/29  23:52

投稿者:sadko

Goeさん>
私はさっき新潮社のHPで紹介文を読みました。うん、「うまいところついてくるな」という感想を持ちました。興味を持ったから読んでみるかもしれません〜☆
明日いいですね〜気をつけて行って来て下さい〜〜♪

2004/10/29  23:41

投稿者:Goe

 私も「電車男」をラジオで聞いて知りました。
かなり気になります。買っちゃうかも!!

あ〜した天気にな〜れっ!!!

2004/10/29  2:07

投稿者:sadko

BTADTMさん>
おおっ!本読んだんですね。私は映画を先に観た人です。で、さっそく本も読みたくなっていました。日記調か・・・。「ツインピークス(原作は日記調)」も映画の方がわかりやすかったしな〜。
「電車男」ってきになりますね〜。阿部公房の「箱男」をまっさきに連想したけど、きっともっと爽やかなんだろうな〜〜読書後の感想楽しみにしてます!

2004/10/29  1:39

投稿者:BTADTM

『モーターサイクル・ダイアリーズ』みましたか!!
本は買って読んだんですが、映画のほうがわかりやすいかもしれませんね......
本のほうは日記帳で書いてあり、いまいちピントがぼやけてしまってるんですよね......
今度観に行って見ます!!
いまは「電車男」読んでますよ〜〜〜

http://red.ap.teacup.com/btadtm/

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